ナツメ茶は、胃痛・骨粗しょう症・湿疹・二日酔い などに効果があるとされる健康茶です。

中国で「一日3個食べれば歳を取らない」と言われるナツメ。自然治癒力を高め、体を活性化してくれます。

ナツメ茶 基本情報

原料 ナツメの果実
原料の主な産地 中国、韓国
カフェイン ノンカフェイン
主な成分 サポニン、アルカロイド、ペクチン、ビタミンC、ビタミンA、鉄分、リン、カルシウム
作用 抗酸化作用、整腸作用、血液凝固抑制作用、利尿作用
味覚 甘みがあるが、後味はさっぱりしている

ナツメの歴史

韓国の伝統料理「参鶏湯」にもナツメが使われています。

 

ナツメが食用として用いられてきた歴史はかなり古く、中国で4000年以上前から栽培されてきました。

1~2世紀に編纂された中国最古の薬学書「神農本草経」にナツメについての記載が見られ、無毒で長期服用が可能な上品薬に分類されています。

日本には7~8世紀に伝わったとされ、奈良時代の和歌集「万葉集」にナツメが登場しています。
平安時代には薬用として用いていて、薬学書「本草和名」にも記述があります。

現在、中国や韓国では漢方薬として利用する他、料理やお茶、お菓子など食用としても幅広くナツメを使っていて、乾燥させたナツメが一年中、簡単に手に入ります。
韓国でナツメは、縁起の良い果物として、冠婚葬祭の儀式にも利用します。

ナツメ茶の期待できる効能

  • 健胃
  • 整腸
  • 高血圧予防
  • 動脈硬化予防
  • 心筋梗塞予防
  • むくみ改善
  • 骨粗しょう症予防
  • 二日酔い防止
  • 不眠症改善
  • 冷え症改善
  • 貧血改善
  • 美肌効果・皮膚炎改善

漢方では「大棗(たいそう)」という名で、日本薬局方にも登録されているナツメは、「気」と「血」を補い、エネルギーを高める陽性の働きをします。

ここで、ナツメ茶に含まれる主な有効成分が、人間の体にどのような作用をもたらすのかをご紹介します。

サポニンが、胃痛改善からガン予防まで幅広い効能を発揮する

ナツメには、トリテルペノイドやジュジュボサイドなどのサポニン類が豊富に含まれていて、細胞の老化を防ぐ抗酸化作用があります。
体を酸化させる活性酸素を除去し、消化器官の働きをサポートするので、栄養素の吸収を最適化。胃腸の保護や消化機能改善効果があるとされています。
そのため、ナツメ茶は、胃痛や便秘、下痢など、胃腸関連のトラブルに効果を発揮します。

利尿作用もあるため、むくみを改善。過剰な水分や老廃物を排出するので、血液をサラサラ効果も。

さらに、アルコールの分解を促進する作用もあるので、二日酔いの原因となる悪性酵素をすみやかに排出する効果も期待できます。

近年の研究では、ナツメに含まれるサポニン類に抗ガン作用があることや、抗ストレス作用があることも明らかとなりました。

アルカロイドが血液成分を改善し、心身をリラックスさせる

ナツメに含まれるアルカロイドは、血液を浄化し、体内から毒素を排除する働きをします。
抗酸化作用により、高血圧や動脈硬化など血液系の疾患を予防し、免疫システムを強化。

また、アルカロイドには鎮静作用や抗不安作用があり、ストレスを緩和して神経をリラックスさせる効果があるとされています。
血流改善作用とリラックス作用により、不眠症を改善。ストレスによる病気を予防します。

ナツメ茶は、農薬や添加物などで汚染されがちな現代人の体をデトックスし、ストレスに負けない身体づくりをしてくれるお茶なのです。

血液をサラサラにするペクチンが、生活習慣病を防ぐ

食物繊維の一種であるペクチンには、整腸作用や血液凝固抑制作用、コレステロール値低下作用があります。
胃や腸の働きを正常にし、便秘を解消するほか、上記サポニンやアルカロイドなどとの相乗効果により、高血圧や糖尿病など様々な病気を予防します。

豊富なビタミン類とミネラル類が、体内機能を高めてカラダを活性化する

ナツメはビタミンやミネラル類も豊富に含んでいます。
とくに多いビタミンCは、免疫システムの要である白血球の産生を促進し、炎症を抑える作用があります。
上記サポニンなどによる血流改善効果との相乗効果により、乾癬や湿疹、ニキビなどの皮膚炎を改善する効果が期待できます。

赤血球の主要成分である、鉄とリンも含まれていて、体の各器官に酸素と栄養素を送り届け、エネルギーを作りだす働きをしてくれます。
冷え性や貧血を改善効果が見込めます。

豊富なカルシウム含有により、骨を強くして、骨粗しょう症予防効果もあり。

ナツメ茶は、これら多くの栄養素と、他有効成分が相互作用して、体の機能を総合的に改善するのです。

ナツメ茶の副作用

ナツメには経口避妊薬と同様の作用があるという報告があります。
ナツメ抽出エキスを雌のラットに投与したら、子宮のサイズが小さくなり、性欲が減退したという研究結果が出ているのですが、人間での研究は行われておらず、確証には至っていません。

念のため、妊娠を希望する女性は、ナツメ茶を飲みすぎないようにしてください。

ナツメ茶を飲むタイミング

ナツメ茶はノンカフェインなので、好きなタイミングで飲むことができます。

アルコールの分解を促進する効果があるので、お酒を飲む前にナツメ茶を一杯飲むことで、二日酔い防止になります。

神経の興奮を鎮めてリラックスさせる効果もあるので、寝る前にナツメ茶を飲めば、安眠対策にもなるはず。

 

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ナツメの科学研究

ナツメの抗がん作用について調べた研究

イランの研究で、ナツメ抽出エキスにはガン細胞をアポトーシス(自滅)させる作用があると確認されています。
トリテルペノイドおよび多糖類が、様々な癌細胞株に対して抗増殖および抗癌作用を有することを示しているのです。

This review article shows that among the bioactive compounds present in jujube fruit, triterpenic acids and polysaccharides have antiproliferative and anticancer effects on various cancer cell lines. It seems that the induction of apoptosis is one of the main mechanisms for the anticancer activities of the jujube fruit, due to the presence of the bioactive compounds.

“Ziziphus jujuba”: A red fruit with promising anticancer activities

ナツメの消化機能における作用を調べた研究

中国とアメリカの共同研究により、ナツメに含まれるサポニン成分ジュジュボサイドが、胃の消化吸収を助け、胃の環境を整える働きをすることが確認されました。

JuA was hydrolyzed largely in the stomach before being absorbed into the different parts of the intestine (especially duodenum and colon), and the gastric environment played a vital role in this process.

Gastrointestinal Absorption and Metabolic Dynamics of Jujuboside A, A Saponin Derived from the Seed of Ziziphus jujuba.

ラットの受胎機能におけるナツメの作用を調べた研究

ラットを使った実験で、ナツメは妊娠を妨げる可能性があることが確認されています。
人間における研究はされていないので、人間の女性にも同じ作用があるのかは今のところ不明です。

Traditional usage suggests Jujube may be anti-fertility for females, and a single rat study appears to find similar effects (although did not measure actual conception rates, just uterus size and estrus); it would be prudent to avoid usage of Jujube if trying to conceive a child.

Ziziphus jujuba All Essential Benefits/Effects/Facts & Information