サンザシ茶は、下痢・消化不良・胃もたれ・高血圧 などに効果があるとされる健康茶。

赤く甘酸っぱい実は、胃腸を保護する効能が高く、子供の食欲不振や消化不良にも適しています。

サンザシ茶 基本情報

原料 サンザシの実
原料の主な産地 中国
カフェイン ノンカフェイン
主な成分 ルチン、脂肪酸、タンニン、サポニン、ビタミンC、クエン酸
作用 抗酸化作用、整腸作用、健胃作用、血管壁強化作用
味覚 ほどよい酸っぱさと甘さがある

サンザシの歴史

中国山東省では、サンザシをリンゴ飴のようにして食べます。

 

中国生まれの薬用植物であるサンザシは、食欲を増進して消化を助け、血流を改善し脾臓を強化する薬として古くから利用されてきました。

サンザシの消化を促進する効能は、偶然発見されたといわれています。
その昔、中国のある家庭で、料理人が、古くて固い鶏肉を少量のサンザシと一緒に煮込んでみたところ、あっという間に肉が柔らかくなったのです。
料理人はビックリ。自分の発見を人々にふれ回ったといいます。
そこから、固い食物を消化しやすい状態にするサンザシの作用が注目されるようになりました。

現在、中国山東省で栽培されたサンザシが最も高品質と考えられていて、薬やお茶などに加工されて中国のみならず、海外に向けても販売されています。
中医学では、サンザシ(山査子と書く)から作られた生薬が50種類以上も漢方方剤として認定されています。

サンザシ茶の期待できる効能

  • 下痢改善
  • 消化不良改善
  • 食欲不振改善
  • 胃もたれ改善
  • 食あたり予防
  • 動脈硬化予防
  • 高血圧改善
  • 疲労回復
  • 免疫力強化

細胞の老化を防ぐ抗酸化作用と、脂肪を分解して消化を促進する作用の2つの働きが特徴のサンザシ茶。

ここで、サンザシ茶に含まれる有効成分が、人間の体にどのように影響するのかをご紹介します。

ルチンが血をサラサラにして、体を活性化。様々な病気を防ぐ

サンザシには、ポリフェノールの一種であるルチンが含まれていて、血液中のコレステロール値を下げて血圧を正常に戻す作用や、血管壁を強化する作用があります。
高血圧改善や動脈硬化を防ぐ効果があるとされています。

さらに、ルチンには血管を広げる作用もあるので、動脈の血流を増加させることで、各器官へ充分な酸素と栄養素を運び、虚血や低酸素症といった症状を予防します。
つまり、サンザシ茶を飲むことで、体が活性化して疲労回復効果が期待できるのです。

脂肪酸類が、油っこい料理の消化を助ける

サンザシに含まれるリノール酸、リノレン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの脂肪酸類は、胃で消化酵素の分泌を増加させて、脂肪の消化を促進します。

肉料理や揚げ物などを食べた時にサンザシ茶を飲むと、胃腸の負担を減らすことになります。

酸っぱいクエン酸が、消化液の分泌を高めて胃腸の調子を整える

サンザシ茶の酸っぱい成分クエン酸は、唾液や胃液の分泌を促進する作用があり、胃もたれや消化不良を改善します。

上記の脂肪酸類と同じく、胃腸の消化機能を高めて健胃に役立つ成分です。

タンニンが、腸の働きを正常化する

サンザシ茶に含まれるタンニンは、収れん作用、つまり胃腸のけいれんを緩める働きをするので、下痢を改善し、腸内を正常に機能させます。

抗菌作用もあるので、細菌による食あたりを防ぐ効果も見込めます。

サポニンが血液成分を改善して、生活習慣病を防ぐ

ポリフェノールの一種であるサポニンは、善玉コレステロール濃度を高めることで、悪玉コレステロールを排出し、総血中コレステロール値を低下させます。

血液成分が改善して血流が良くなるので、上記ルチンとの相乗効果により、高血圧を改善し、動脈硬化や心臓不整脈などを予防します。

豊富なビタミンCが、体を若々しく保ち免疫力をアップさせる

サンザシにはビタミンCが豊富に含まれています。
ビタミンCは、細胞の酸化(サビ)を阻害し、老化を防いで免疫力を高める効果がある成分です。

上記ルチンやサポニンといったサンザシの他成分の働きをサポートし、生活習慣病を防ぎます。

サンザシ茶の副作用

サンザシ茶は血管を広げて血流を改善するので、血圧を下げる薬効があります。
そのため、サンザシ茶を飲むと眠気やだるさを感じることがあるかもしれません。

また、大量に飲用すると、胃酸過多により胃石症や小腸閉塞を引き起こす可能性もあります。
とくに普段から胃酸が多い体質の人や胃潰瘍を患っている人は、注意が必要です。

そうは言っても、中国では子供の消化促進にもサンザシ茶を飲ませていることから、一般的に、適量を守れば副作用のない安全な飲み物だと言えます。

 

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サンザシ茶を飲むタイミング

胃腸を保護して消化を助けるサンザシ茶の効能を得るためには、食後に飲むのがベスト。

消化酵素や胃液の分泌を高めて消化を促進するので、食べ物の栄養素ををスムーズに吸収することができます。

食べ物の消化は、フルマラソンを走ったぐらいのエネルギーが必要で、体を酸化させる活性酸素が発生しやすくなりますが、食後にサンザシ茶を飲むことで、活性酸素の発生を抑制して老化を防ぐことができます。

サンザシの科学研究

人間の精子運動性におけるサンザシの根抽出物の影響を調べた研究

16人の無精子症患者の精子を試験管に入れ、サンザシの根抽出物を投与したところ、5~15分で精子の進行性運動を増加させ、その効果は60~120分間続くという結果が中国の研究で確認されています。
サンザシの根が、無精子症患者の精子運動を改善することが明らかとなったのです。

Compared with the control group, the medicated serum significantly increased the sperm progressive motility in 5 and 15 min (P < 0.05), and the motility and progressive motility were both increased significantly in 60 and 120 min (P < 0.01). The excitatory effect of the medicated serum on the sperm motility exhibited in a time-dependent manner.

[The influence of medicated serum with root of Crataegus cuneata on human sperm motility parameters in vitro].

サンザシ抽出物のコレステロール値低下作用について調べた研究

中国での研究で、栽培向け品種のサンザシから摂った抽出物が、マウスの体重や総コレステロール、トリグリセリド、リボタンパク質コレステロール、肝臓コレステロールを顕著に低下させました。

In this study, our results showed that the ethanol extract of Zhongtian hawthorn, a novel grafted cultivar of C. cuneata (wild Shan-Zha), could markedly reduce body weight and levels of serum total cholesterol, triglyceride, low-density lipoprotein cholesterol, and liver cholesterol of hyperlipidemia mice.

Ethanol extract of Zhongtian hawthorn lowers serum cholesterol in mice by inhibiting transcription of 3-hydroxy-3-methylglutaryl-CoA reductase via nuclear factor-kappa B signal pathway.