ペパーミントティーは、胃もたれ・消化不良・アレルギー性鼻炎 などに効果があるとされる健康茶。

強い芳香と清涼感があり、ガムや歯磨き粉に使われるペパーミント。
その独特な香りを持つ成分には、人間にとって様々な効能があることが研究により明らかとなっています。

ペパーミントティー 基本情報

原料 ペパーミントの葉
原料の主な産地 ヨーロッパ原産。イギリスで栽培されたものが最高品質と言われている。
カフェイン ノンカフェイン
主な成分 メントール、精油成分、フラボノイド、タンニン、ミントポリフェノール、ビタミンB群、カリウム、カルシウム
作用 鎮静作用、鎮痛作用、発汗作用、殺菌作用、解熱作用、消炎作用、冷却作用
味覚 鼻に抜ける独特の芳香があり、清涼感のある風味

ペパーミントの歴史

ミントは、3500年以上も昔からヨーロッパで栽培され、親しまれてきたハーブ。
古代ギリシャでは、健胃薬や気付け薬として使われてきた他、髪や体を洗う石鹸の原料にも使われていたそうです。

飲酒が禁止されているイスラム教圏では、昔からアルコールの代わりにミントティーが良く飲まれています。

現在、ミントの種類は600品種ほどもありますが、大きく分けて、スペアミントとペパーミントに分類されます。
ペパーミントは、スペアミントとウォーターミントの交配種で、スペアミントよりも芳香が強く、薬効高いのが特徴。
そのため、ヨーロッパで薬用として利用されているのは、ほとんどペパーミントです。

ペパーミントにしか含まれていない有効成分もあるので、健康茶としても、スペアミントティーよりペパーミントティーの方に幅広い効能が期待できると言えます。

ペパーミントティーの期待できる効能

  • 胃もたれ改善
  • 膨満感改善
  • 胃痙攣の予防
  • 消化促進
  • 心身のリラックス
  • 下痢改善
  • 便秘改善
  • アレルギー症状改善
  • 乗り物酔い改善
  • 吐き気を抑える
  • 呼吸を楽にする
  • 風邪予防
  • 美肌
  • 口臭改善

美肌作りから胃もたれ解消まで、ペパーミントには多くの薬効があるので、体の調子を整えるために賢く活用したいハーブです。

ここで、ペパーミントティーに含まれる有効成分が、人間の体内でどのような作用をもたらすのかをご紹介します。

精油成分メントールが、カラダと心に幅広い効能を発揮する

ペパーミントの強い芳香は、揮発性精油成分であるメントールによるもの。
神経系に作用して脳内物質であるドーパミンの分泌を促進し、気分をリフレッシュさせます。
そのため、集中力を高めたい時や、気力を向上させたい時、緊張を和らげたい時などにペパーミントティーを飲むと良いとされています。
気持ちを落ち着かせる作用があるので、寝る前に飲むことで、安眠効果も得られるようです。

そしてメンソールは、筋肉の緊張をゆるめて痙攣を抑える働きもします。
腸のぜんどう運動を正常に保ち、下痢や便秘を改善する効果や、胃痙攣を抑える効果、吐き気の改善が期待できます。
乗り物酔いの嘔吐反応も抑えることが可能。
胸や喉の筋肉もリラックスさせるので、咳による胸の痛みや呼吸を楽にする効果も。

また、メントールには鎮痛薬としての効果もあり、痛みを和らげる神経物質の分泌を促し、痛みの原因物質が生成されることを防ぐ作用があるため、胃腸の不調による不快感や痛みを軽減します。その他、片頭痛や生理痛の緩和も見込めます。

メントールの効能はまだあります。

強力な抗菌作用により、口腔内を清潔に保ち口臭予防効果もあるのです。
ペパーミントティーでうがいをするだけでも、喫煙、飲酒、玉ねぎやニンニクなどの食べ物による口臭を改善できると言われています。

皮膚を活性化させる作用や、過剰な皮脂の分泌を抑えて肌を引き締める作用もあるので、美肌作りにも効果的。

ルテオリン・ロズマリン酸・アズレンが、内臓や皮膚の炎症を抑える

ペパーミントティーに含まれるルテオリン、ロズマリン酸、アズレンには、抗アレルギー作用と抗炎症作用があり、花粉症やアトピーなどのアレルギー症状を抑える効果があるとされています。
アズレンは、特に消化器官の炎症を抑える作用が高いとされています。

これらの成分の抗炎症作用と、メントールの皮脂分泌抑制作用との相乗効果により、ニキビの改善も見込めます。

ペパーミント特有の成分ミントポリフェノールが、アレルギーを改善する

数多くのミントの中でも、ペパーミントだけに含まれている成分ミントポリフェノールは、抗アレルギー作用があり、アレルギー症状を引き起こす神経物質ヒスタミンの分泌を抑制します。

ルテオリン、ロズマリン酸、アズレンと同様、花粉症やアトピー、鼻炎などのアレルギー症状改善に効果を発揮します。

メントンが消化を助け、胃部不快感を和らげる

精油中に含まれる成分の1つで、メントール同様にハッカの芳香があります。
メントンは、胆汁の分泌を促進して、タンパク質の分解・消化をサポートします。
食べすぎや飲みすぎによる胃もたれや食欲不振を改善すると言われています。

 

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ペパーミントティーの副作用

まれに、体質によってペパーミントでアレルギーが起こる場合があります。
ペパーミントティーを飲んだ後に、頭痛、めまい、口内炎などのアレルギー症状が現れた時は、飲用を止めてください。

また、ペパーミントは、胃の痙攣を抑えて吐き気を緩和する作用がありますが、胃酸を食道に逆流させる働きもするので、胃食道逆流症(GERD)を患っている場合は、ペパーミントティーで症状が悪化する可能性があるため注意が必要。

胃潰瘍がある人も、ペパーミントティーに含まれるメントールの影響で、潰瘍が悪化する場合もあります。

ペパーミントティーは、乳幼児には刺激が強すぎるため、飲ませないでください。
呼吸困難に陥る危険もあります。

ペパーミントティーに含まれる精油成分は、授乳時の乳腺炎を改善すると言われていますが、反面、母乳の出を抑制する作用もあることを留意してください。
また、ペパーミントはホルモンに作用するという研究結果もあるため、一般的には、妊娠中の飲用は控えたほうが良いとされています。

 

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ペパーミントティーを飲むタイミング

ノンカフェインなので、いつでも好きなタイミングで飲むことができます。

胃もたれや膨満感を感じる時にペパーミントティーを飲むことで、胃の辺りがスッキリするはず。

あるいは、花粉症を抑える目的で一日1~2杯ほど飲むのもオススメ。
ただ、ペパーミントティーは、継続して飲み続けないとアレルギー抑制効果はないので、症状が現れる1~2ヶ月前から毎日飲む習慣をつけると良いでしょう。

ペパーミントの科学研究

ペパーミントの抗菌・抗酸化効果について調べた研究

ペパーミントから抽出される精油成分は、微生物に対して抗菌活性を示したため、優れた天然抗酸化剤であると結論づけることができます。この精油成分は、合成抗酸化物質と同等の抗酸化活性を示すことが明らかとなりました。

From the above results, it can be concluded that the tested essential oil exhibited antimicrobial activity against the tested microorganisms and it could be a better natural antioxidant. The essential oil provided comparable antioxidative activity as compared with synthetic antioxidants,…

Protective effects of bioactive phytochemicals from Mentha piperita with multiple health potentials

ペパーミントの毒性について調べた研究

イギリスで行なわれた実験で、無作為に選んだラットにペパーミントティーを投与したところ、卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンは増加し、テストステロンのレベルは減少するという結果がでました。
このことから、ペパーミントは女性ホルモン、男性ホルモン両方に作用することが分かります。

The effects of Mentha piperita and Mentha spicata herbal teas on plasma total testosterone, luteinizing hormone and follicle-stimulating hormone levels and testicular histologic features were evaluated.

ASSESSMENT REPORT ON MENTHA X PIPERITA L., FOLIUM

ペパーミントのアレルギー性鼻炎に対する影響について調べた実験

イギリスで行なわれた実験で、ペパーミントの抽出物をラットに投与したところ、腹膜脂肪細胞からのヒスタミン(アレルギー原因物質)放出を抑制する効果が認められました。さらに、アレルギー物質が原因のくしゃみや鼻の擦りが減るという結果も出ています。1回だけのペパーミント投与より、複数回の投与を行なった方が効果的でした。

A study was performed to clarify the effects of extracts of the leaves and stems of Mentha piperita L.on experimental allergic rhinitis.…
…The oral administration of 50% EtOH inhibited sneezing and nasal rubbing induced by antigen-antibody reaction. The repeated administration was more effective than a single administration

ASSESSMENT REPORT ON MENTHA X PIPERITA L., FOLIUM

 

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