セージティーは、アルツハイマー・関節炎・心臓病 などに効果があるとされる健康茶。
「庭にセージを植えている者が、死ぬことがありえようか」というアラビアのことわざがあり、不老長寿のハーブとして知られています。
セージティー 基本情報
原料 | セージの茎や葉 |
原料の主な産地 | 地中海地域原産だが、世界中に分布している |
カフェイン | ノンカフェイン |
主な成分 | ロスマリン酸、SOD、ペルオキシダーゼ、フラボノイド類、フェノール酸、精油成分、ビタミンA、C、B、K、食物繊維、カルシウム、マグネシウム、鉄 |
作用 | 抗酸化作用、抗炎症作用、覚醒作用、利尿作用、抗菌作用 |
味覚 | マイルドな味わいで、ほとんど苦みはない。 |
セージの歴史
セージの葉には、ベルベットのような細かい毛が生えています。
セージの原産地は、地中海周辺。
その地域では、古代ローマ・ギリシャ時代から、何千年にもわたりセージを利用してきました。
薬草としての他に、肉の防腐剤としても利用していたとされ、その方法は、冷凍技術が発達するまで伝統的に続いていたようです。
セージは加工肉を作る際にも使われていました。ソーセージは、セージが語源となっているという説もあります。
ちなみに、セージの防腐効果は、テルペンという抗酸化物質によるものであることが、現代科学によって証明されています。
セージは、1世紀に地中海地域からイギリスに伝わり、その後、北アメリカ大陸に伝来すると、アメリカ先住民族もセージを薬草として使い始めたとされています。
14世紀のヨーロッパでは、お茶として一般的に広く飲まれていて、魔除けの儀式などにもセージを使っていました。セージの持つパワーが悪霊をも退散させると信じられていたのでしょう。
17世紀には、中国でセージの需要が増え、セージティー1箱を中国茶(ツバキ)3箱と交換していたそう。
当時のヨーロッパ各国は、セージによってかなり経済的に潤ったようです。
セージティーの期待できる効能
- アルツハイマー・認知症予防
- 脳梗塞予防
- 記憶力回復
- 更年期障害改善
- 関節炎・痛風改善
- 口臭・虫歯予防
- 免疫力アップ
- 湿疹・ニキビ改善
セージは英語で「賢明な」「思慮深い」などの意味があり、英語圏ではセージティーを「思想家のお茶(Thinker’s tea)」と称することもあります。
それだけ、脳を活性化するハーブとして有名ということですね。
ここで、セージティーに含まれる有効成分が、人間の体にどのように作用するのかをご紹介します。
ロスマリン酸などの抗酸化物質が炎症を抑え、血流を改善。脳の働きを良くする。
セージの薬効の多くは、ロスマリン酸によるもの。
ロスマリン酸は、セージの近縁種であるローズマリーで発見された成分で、強力な抗酸化作用があります。
抗酸化作用とは、細胞の老化を防ぎ、炎症を抑制する働きのこと。
強い抗酸化作用を持つロスマリン酸は、体内に入ると胃腸で吸収され、炎症を起こす物質を阻害して、炎症反応を和らげるのです。
そのため、セージティーには、心臓病や高血圧の原因となる血管の炎症を防ぐ効果や、関節炎や痛風など筋肉や骨の炎症を改善する効果があるとされています。
さらに、ロスマリン酸は、胃腸の炎症にも効果を発揮します。
抗炎症作用に加えて、収れん作用もあるので、胃のけいれんを防ぎ、下痢や胃炎を改善。消化プロセスを助けて、腸の負担を減らしてくれます。
セージにはロスマリン酸だけでなく、ルテオリンやアビゲニン、フェノール酸など多くの抗酸化作用のある成分が含まれています。
これら抗酸化成分の働きにより、脳の血流を改善、血管を強化して血栓を防ぐことができ、アルツハイマーや認知症などを予防。記憶力回復効果もあるとされています。
それだけではありません。
セージの血流を良くして炎症を改善する働きは、更年期障害の不快な症状にも効きます。
更年期に起こる腰痛や肩こりなど筋肉のコリや痛みを和らげ、冷えやむくみ、頭痛などを解消。
脳を活性化するので、更年期特有のうつ症状やだるさを改善する効果も期待できます。
近年の研究では、セージには抗菌作用もあることが明らかとなり、口腔内のプラークを減らす効能が確認されていて、虫歯予防や口臭予防に効果があることが分かっています。
カラダをサビから守るSODが、若々しさを維持する
セージの葉と茎には、SOD(スーパーオキシドジムスターゼ)という酵素が含まれています。
この酵素は、細胞内に発生した活性酸素を分解する作用があり、体を酸化(サビ)から守ってくれる優れもの。
SODの活性と寿命には相関関係があり、SODが体内に多いほど、体を老化から守る働きが高いといわれています。
上記ロスマリン酸とSODの老化を抑制する働きこそ、セージが「不老長寿のハーブ」といわれる所以です。
ビタミン類とミネラル類が体内機能を正常化して、滋養強壮効果を高める
セージは、ビタミン類を豊富に含んでいます。
ビタミンAやB、Cは、皮膚や粘膜の再生に関わる成分。肌のターンオーバーを促し、コラーゲンを保持する働きがあります。
これらビタミン類は、上記ロスマリン酸との相乗効果により、皮膚の炎症を抑えて、湿疹やニキビを改善してくれます。
ビタミンKは緑黄色野菜や海藻類にある成分で、セージにも多く含まれています。
骨密度を保ち、骨を強くする作用があるので、骨粗しょう症の予防に効果を発揮する成分。
それから、セージにはカルシウムやマグネシウム、鉄分などのミネラル類がたくさん含まれていて、体の代謝機能を正常に動かし、各臓器を活性化させる役割をしてくれます。
これら多くの栄養素が詰まったセージティーを飲むことで、血液成分を改善して、カラダのすみずみにまで酸素と栄養素を運び、免疫力を高めることができるのです。
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セージティーの副作用
セージはアレルギーの起きにくいハーブであり、現在のところセージティーを飲んだことによる副作用は報告されていません。
ただ、セージはてんかん薬(トピラメート)と相互作用することが確認されています。
他にも多くの薬剤と軽い相互作用があるので、医薬品を服用している人は、セージティーを飲むのを控えた方が良いでしょう。
また、妊娠中には多量に飲用しないでください。
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セージティーの科学研究
セージの口腔内細菌に対する影響を調べた研究
イランの研究で、口腔衛生条件が同じ11~14歳の女子70名に、セージとプラセボのマウスウォッシュを使った二重盲検臨床試験を実施しました。
セージのマウスウォッシュが、口腔内のプラーク数を3900個から300個に減少させたのに対し、プラセボのマウスウォッシュは、4400個が4000個になっただけでした。
セージにはかなりの抗菌効果があることが確認されたのです。
Sage mouthwash significantly reduced the colony count (P=0.001). Average number of colonies in test group was 3900 per plaque sample at the baseline, and 300 after mouthwash application. In the control group, pre-test colony count was 4400 that was reduced to 4000; although this reduction wasn’t significant.
セージのアルツハイマー病における影響を調べた研究
イランの研究で、103人のアルツハイマー患者にセージ抽出物およびプラセボを4ヶ月間投与したところ、セージは軽度から中度のアルツハイマーにおいて、有効だということが確認されました。
The results of this study indicate the efficacy of S. officinalis extract in the management of mild to moderate Alzheimer’s disease. Moreover, S. officinalis may well reduce agitation of patients but this needs to be confirmed.