イチョウ葉茶は、痴呆症・認知症・記憶力低下・アルツハイマー などに効果があるとされる健康茶。

日本ではあまり認知されていませんが、ヨーロッパでは、イチョウ葉エキスが脳血管障害に著しい効果を発揮するとされていて、研究が進んでいます。
秋になると、黄色い落葉で歩道を埋め尽くすイチョウの葉には、驚きの薬効が隠されているのです。

イチョウ葉茶 基本情報

原料 イチョウの葉
原料の主な産地 日本やヨーロッパ、アメリカ大陸などの温暖地域に分布
カフェイン ノンカフェイン
主な成分 フラボノイド、ギンコライド、プロアントシアニジン、タンニン
作用 血管拡張作用、血液浄化作用、毛細血管強化、活性酸素除去、血圧降下作用
味覚 多少の苦みがあり、草の味がする。

イチョウの歴史

10~11月に黄色く色づくイチョウの木。

 

イチョウは、2億年前に誕生したとされる世界最古の樹木の1つ。そのため「生きた化石」と呼ばれることもあります。

長い年月の中で、何度か絶滅の危機に瀕したこともあり、現存種はたったの1種。
それが、17世紀に日本でヨーロッパ人により発見され、瞬く間に世界各国に広まったようです。

イチョウの実である銀杏(ぎんなん)は、6世紀ごろから中国で食用に利用されてきましたが、イチョウ葉をクスリとして用いるようになったのは、17世紀になってから。
当時は、動悸、下痢、肺の病などに効果があるとされていました。

現在、ドイツ、フランス、スイスなどヨーロッパ各国では、イチョウ葉に含まれる有効成分を薬剤原料として使っており、薬品としての認可も受けています。

イチョウ葉茶の期待できる効能

  • 認知症予防
  • 記憶力低下予防
  • 脳梗塞予防
  • 痴呆症予防
  • アルツハイマー予防
  • 肩こり改善
  • 頭痛改善
  • 動脈硬化予防
  • アンチエイジング
  • アレルギー予防

ドイツで90年代にイチョウ葉抽出エキスの薬効が証明されて以来、日本のイチョウ葉が大量にヨーロッパに輸出され、医薬品として役立っています。
イチョウの本家ともいえる日本において、薬事法により医薬品の認定がされていないのは、残念なことです。

それではここで、イチョウ葉茶に含まれる有効成分が、体にどのような作用をもたらすのかをご紹介します。

フラボノイドが脳の血流を改善し、血管の詰まりを防ぐ

イチョウ葉の主成分は、フラボノイドとギンコライド。

もちろん、イチョウ葉で作られたお茶にも、老化現象の原因となる活性酸素を除去する作用があるフラボノイドが含まれています。

活性酸素除去作用だけでなく、血管拡張作用もあるため、血流を促進して高血圧や動脈硬化などの生活習慣病予防にも効果的。
特に、脳の血栓や、末梢血管のうっ滞が大きな原因である脳血管障害や、それに伴う認知症などに際立った効果があるとされています。

ギンコライドは脳血栓を防ぐだけでなく、アレルギーをも改善する

もう一つのイチョウ葉の主成分であるギンコライドは、他の植物には含まれていない、イチョウ葉特有の成分。

近年の研究により、ギンコライドには、上記フラボノイドと同じく血管拡張作用や血栓溶解作用があり、脳の血流を良くすることが確認されています。
脳障害が起きる前に、イチョウ葉茶を継続的に飲むことが、認知症やボケ防止につながります。

さらに、ギンコライドには抗炎症作用もあるため、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状を緩和する効果も見込めます。

血管を強化するプロアントシアニジンが生活習慣病を予防

プロアントシアニジンは、抗酸化作用、血管壁強化作用があり、イチョウ葉茶に含まれるフラボノイドとの相乗効果により、高血圧や動脈硬化の予防効果を高めます。
高血圧が原因で起こる、めまいや頭痛の解消も期待できます。

イチョウ葉茶の副作用

銀杏(ぎんなん)は、大量に食べると中毒症状を起こすことが知られていますが、イチョウ葉茶も飲みすぎると頭痛や下痢を引き起こす可能性があります。

これは、主に銀杏の外皮に含まれる成分ギンコール酸によるアレルギー反応。
ギンコール酸は、適量摂る分には問題ありませんが、過剰摂取は毒となるのです。
イチョウの葉にも、微量のギンコール酸が含まれていることが分かっています。

ただ、市販のイチョウ葉茶やイチョウ葉エキスは、ギンコール酸含有量を5ppm以下とすることが、㈶日本健康・栄養食品協会(JHFA)により定められているため、飲用量を守って飲めば、副作用を心配する必要はありません。

もちろん、市販のお茶ではなく、自分でイチョウ葉を集めて煮出したお茶には、ギンコール酸が多量に含まれることになるので、イチョウ葉茶は決して自作しないでください。

イチョウ葉茶を飲むタイミング

ノンカフェインのイチョウ葉茶は、いつでも好きなタイミングで飲むことができます。

ただ、独特の苦みと味があるので、食事と一緒よりは、食前や食後に飲むことをおすすめします。
もちろん、夜寝る前に飲んでもOK。

イチョウ葉茶のレビュー

イチョウ葉茶は、肩こりや頭痛改善にも効果があるということなので、管理人が試しに飲んでみました。

今回買ったのは、宮崎県・新潟県のイチョウの葉を使った、その名も「国産のイチョウ葉茶」。
Amazonには何種類かのイチョウ葉茶が販売されていますが、中国産の商品も多い。
東京都のシンボルにも使われているイチョウは、日本を代表する街路樹なのだから、イチョウ葉茶もほぼ日本産だろうと思っていたので、ちょっとがっかり。

さて、届いた商品の封を開けます。
中にはティーバッグが40包入っていました。
記載されている飲み方には、水600ccを沸騰後、ティーバッグを1包入れて弱火で5分以上煮出すとのこと。
指示通りに、鍋に湯を沸かし(ヤカンではなく、鍋がオススメ。理由は「健康茶の楽しみ方」の記事を見てね)、ティーバッグを投入。

煮出している途中から、草っぽい匂いがしてきました。
煎じすぎて苦みが強くなってもイヤなので、5分きっかりで火を止めて、ティーバッグを取り出します。

飲んでみると、香り同様、味も野草のよう?いや、枯草のような、独特の風味。
少し渋い苦みもあります。
好き嫌いが分かれると思いますが、まさに「THE 健康茶」というような味なので、効き目がありそうなのは確かです。

実際、1週間ほど毎日、湯のみ2杯を飲み続けたら血流が良くなったのか、肩こりがラクになってきました。
心なしか、頭も冴えてきたような気が・・・(するだけか?)

 

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イチョウの科学研究

イチョウの脳機能に関する研究

イチョウ葉抽出エキスには、肝細胞を増やし、脳機能を活性化させる可能性があることが、中国の大学で行なわれたラットを使った研究により明らかとなりました。
ラットの痴呆症が発症し、エキスの投与が開始されてから1ヶ月後に幹細胞成長のピークが起こり、最大4ヶ月間、脳における細胞の増殖を促進するという結果が出ました。
イチョウ葉エキスには、認知症や記憶力低下を防ぐ効果が期待されます。

The team reported that the extract promoted growth in both brain regions for up to four monthes-with peak growth occurring around one month after the model of vascular dementia was induced and supplementation had begun.

Ginkgo Biloba may boost brain functions by increasing stem cell growth: Rat study

イチョウ葉抽出液の脳認知効果に関する研究

オーストリアとイギリスの共同研究により、イチョウ葉抽出エキスには、記憶を司る前頭葉前野皮質の活性化を起こすことが明らかとなりました。
このことは、高齢者の記憶障害の治療としてイチョウ葉抽出エキスが有効である可能性を示唆しています。

We suggest that the improvements in WM task performance are a consequence of enhanced synaptic inhibition associated with GBE, possibly operating via a cholinergic mechanism. These findings provide further evidence for the efficacy of GBE as a treatment for working memory deficits in the elderly.
※ GBE=Ginkgo Biloba extract  WM=working memory

Examining Brain-Cognition Effects of Ginkgo Biloba Extract: Brain Activation in the Left Temporal and Left Prefrontal Cortex in an Object Working Memory Task