カモミールティーは、安眠・夜泣き・リラックス・胃腸の保護 などに効果があるとされる健康茶です。
最も古いハーブ薬とも言われるカモミールは、リラックス効果だけでなく、抗炎症作用や整腸作用まで併せ持ちます。
お茶にすると、風味が良くて飲みやすいので、子供から大人まで幅広い世代に人気があります。
カモミールティー 基本情報
原料 | カモミール |
原料の主な産地 | 原産地はヨーロッパだが、世界各国で栽培されている。 |
カフェイン | ノンカフェイン |
主な成分 | アピゲニン、ビサボロール、ルテリオン、ケルセチン、クマリン、カマメロサイド |
作用 | 鎮静作用、消化促進作用、発汗作用、抗炎症作用 |
味覚 | リンゴに似た香りがあり、少し甘みがある。 |
カモミールの歴史
古代エジプトの遺跡には、カモミールをモチーフとしたものがあります。
カモミールが初めて歴史に登場したのは、古代エジプト時代。
当時は、太陽神への供え物や、病気の治癒に効く秘薬としてカモミールを使っていたと言われています。
ヨーロッパでも古くから、発熱や婦人病の治療に民間薬としてカモミールを使っており、「最高のハーブ」と呼んで珍重してきました。
日本には19世紀初頭にオランダから伝わり、そのリラックス作用や抗炎症作用を活かして、お茶や化粧品などに使われています。
カモミールティーの期待できる効能
- 安眠
- リラックス
- 子供の夜泣きを改善
- アレルギー改善
- 乾燥肌を改善
- 美髪
- 下痢の改善
- 生理痛の改善
- 胃腸の調子を整える
- 胃炎・胃潰瘍の改善
- 冷え性改善
多くの品種があるカモミールの中で、とくに薬効が高いとされるのは、ジャーマン・カモミールと、ローマン・カモミールの2種。
ローマン種は茎や葉にも芳香があり、ハーブティーにすると苦みが出るため、市販されているハーブティーには、花だけに芳香があるジャーマン種が使われています。
それではここで、カモミールに含まれる有効成分が、人間の体にどのような作用をもたらすのかをご紹介します。
アピゲニンが、神経をリラックスさせてカラダの諸症状を和らげる
カモミールティーのリラックス作用は、このアピゲニンによるもの。
神経を興奮させる脳内物質ドーパミンを抑制し、神経を鎮める働きがあります。
さらに、アピゲニンには体を温める作用もあるため、カモミールティーを飲むことで体がリラックスできるのです。
また、この成分は筋肉の緊張をゆるめる作用もあります。
腸の収縮運動を緩和するため、下痢や、緊張性の胃炎、過敏性腸症候群の改善も見込めます。
子宮周辺の筋肉組織もゆるめるため、生理痛の緩和にも効果あり。
それだけではありません。
アピゲニンには、アレルギーを引き起こす神経物質ヒスタミンを抑制する作用もあります。
そのため、カモミールティーを飲むことは、鼻炎やアトピーにも効果的とされています。
炎症を抑えるルテリオンが、胃腸病を改善する
カモミールティーに含まれるルテリオンは、抗炎症作用があり、アピゲニンの働きとの相乗効果により、とくに胃腸へ大きな効能を発揮します。
胃腸炎や胃潰瘍、下痢の改善が期待できます。
アンチエイジング効果のあるケルセチンとクマリンが、肌や髪の美しさを作る
これら抗酸化作用のある成分もカモミールティーに含まれていて、細胞の老化を防ぐ働きをします。
老化現象は、活性酸素の影響で細胞が酸化することが大きな原因。
カモミールティーは、この活性酸素を抑制して、タンパク質の糖化を防ぐ働きがあるため、美肌や美髪などにも効果的。
ビサボロールが、プルプルの美肌を作る
この成分は、抗炎症作用、抗菌作用があり、皮膚を乾燥から守る働きをします。
ケルセチンなどの抗酸化作用と相まって、皮膚の水分量を保持し、美肌効果を高めます。
カモミールティーの副作用
「安全なハーブ」として名高いカモミールティーは、赤ちゃんの夜泣き対策にも使われるほど安全性の高いお茶。
報告されている副作用に、カモミールティーを飲んで吐き気や嘔吐などが起きたという事象がありますが、これは、非常に高濃度に抽出したカモミールティーを飲んだために起こったもので、お茶として飲める濃さであれば、さほど心配する必要はないと言えます。
ただ、免疫力の低い赤ちゃんに飲ませる時は、カモミール単体ではなく、他の茶葉とブレンドしたものを与える方が安心であることは確か。
また、カモミールはキク科の植物なので、ゴボウやフキなどにアレルギーがある人も飲用を控えてください。
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カモミールティーを飲むタイミング
カモミールティーは、ノンカフェインなので好きなタイミングで飲むことができます。
ただ、安眠効果とリラックス効果があるので、バリバリ仕事をしたい時や運動前よりは、夜寝る前や自宅でゆっくりくつろぎながら飲むのをオススメします。
私は、生理前にPMS改善のために、カモミールティーを飲んでいます。
いつも飲んでいるのは、スーパーでも手軽に手に入るPOMPADOUR社のもの。
リンゴに似た風味とリラックスできる香りで、生理前のどうしようもないイライラ感を解消。癒されます。
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カモミールの科学研究
カモミールの花に含まれるアピゲニンの抗不安作用について調べた研究
アルゼンチンとウルグアイの共同研究で、アピゲニンは中枢神経に影響し、抗不安薬や筋弛緩薬ほどではないが、ゆるやかで軽度な鎮静効果があることが明らかとなりました。
The results reported in this paper demonstrate that apigenin is a ligand for the central benzodiazepine receptors exerting anxiolytic and slight sedative effects but not being anticonvulsant or myorelaxant.
カモミールの臨床研究について
アメリカのタフツ大学から、カモミールの臨床研究について報告がされています。
それには、これまでの数々の実験により、カモミールには適度な抗酸化作用および抗菌作用があることが明らかであると述べられています。
動物実験で、カモミールには強力な抗炎症作用やコレステロール低下作用、ならびに抗痙攣、抗不安作用があることを示していますが、人間における臨床研究データが不足しているとも記載されています。
Chamomile has moderate antioxidant and antimicrobial activities, and significant antiplatelet activity in vitro. Animal model studies indicate potent antiinflammatory action, some antimutagenic and cholesterol-lowering activities, as well as antispasmotic and anxiolytic effects.
A review of the bioactivity and potential health benefits of chamomile tea (Matricaria recutita L.).