アーティチョーク茶は、二日酔い防止・肝機能強化・心臓病予防 などの効果があるとされる健康茶。

アーティチョークは、日本では馴染みが薄いですが、ヨーロッパでは初夏~夏にかけて市場に出回るポピュラーな食材。
料理には、つぼみだけを使いますが、お茶としては、有効成分が豊富な葉や茎も使うので、健康効果が大きいのです。

アーティチョーク茶 基本情報

原料 アーティチョークの葉、茎、つぼみ
原料の主な産地 ヨーロッパ各国
カフェイン ノンカフェイン
主な成分 シナリン、シリマリン、カリウム、ケルセチン、鉄分、カルシウム
作用 肝機能改善作用、抗酸化作用、利尿作用
味覚 多少の苦みとほのかな甘みがある

アーティチョークの歴史

料理に使われるのはつぼみ部分。イモのような味わいです。

 

アーティチョークは北アフリカ原産の植物ですが、栽培が始まったのはヨーロッパの地中海地域。
紀元前5世紀に現在のイタリアで栽培が始まり、古代ギリシャ・ローマ時代には、アーティチョークのつぼみや葉を食用として、また、根や葉を煎じてお茶として飲む習慣がありました。

15世紀になるとアジアに伝わり、ベトナムやインドでは二日酔い予防の薬草茶として飲まれてきました。

日本には江戸時代にオランダから伝わりましたが、気候風土が栽培に向かなかったため食用としては普及せず、現在では、観賞用やドライフラワー用に少量のみ生産されています。

アーティチョーク茶の期待できる効能

  • 二日酔い予防
  • 肝機能強化
  • 心臓病予防
  • 動脈硬化改善
  • むくみ改善
  • ダイエット
  • 糖尿病予防
  • 消化促進

アーティチョークの葉に含まれる主要成分自体は苦いのですが、この成分は、舌の味覚受容体に作用して、液体を通常より甘く感じさせる作用があります。それゆえ、アーティチョーク茶は、苦みと甘みが同居した複雑な風味がします。

ここで、アーティチョーク茶に含まれる有効成分が、人間の体にどのように働くのかを詳しくご紹介します。

シナリンとシリマリンが、コレステロールを減らして血液をサラサラにする

アーティチョーク茶の最大の薬効は、コレステロールを減らす作用です。
葉に含まれる苦み成分シナリンと、緑色の色素成分シリマリンは、どちらも血液中のコレステロール値を下げる働きをします。

加えて、シナリンには肝機能を高めて、胆汁の分泌を促進する作用もあります。
解毒を受け持つ肝臓の機能が向上することでアルコールの分解が進み、胆汁分泌により脂肪の消化スピードが早まるので、アーティチョーク茶は、二日酔いを予防し、ダイエット効果もあると言われています。

また、シリマリンには、血液中の中性脂肪が肝臓で脂肪に変わるのを防ぐ作用があり、内臓脂肪蓄積や脂肪肝を予防します。

これらの成分の総合的な働きにより、血液成分が改善されて血流がよくなるので、アーティチョーク茶は、高血圧や動脈硬化など心臓血管疾患を防ぐ効果もあるとされています。

イヌリンが腸をキレイにし、過剰な糖分の吸収を防ぐ

食物繊維の一種イヌリンは、胃や小腸では吸収されず、大腸で代謝される成分。

小腸では、体内の過剰な水分や老廃物を尿として排出する利尿作用があり、むくみや高血圧を改善。大腸では、腸壁にこびりついた宿便を排泄に向かわせて、便秘を解消します。

これらのデトックス効果だけでなく、イヌリンは腸において、糖の吸収を阻害して血液中の糖度を調整する働きもあり、糖尿病を予防する効果もあるとされています。

ドイツやスイスでは胃腸薬として用いているほど、アーティチョーク茶は、胃に優しく、腸内をスッキリさせ、消化をサポートしてくれる優れた健康茶なのです。

カリウムが不要な水分や老廃物を排出し、デトックス効果を高める

アーティチョーク茶には鉄分やカルシウムなどのミネラル類も豊富に含まれていて、その中でもカリウムの含有量が際立っています。

カリウムは、上記イヌリンと同様に利尿作用があり、体内の水分量をコントロールしてむくみを改善し、高血圧の予防効果を高めます。

 

↓ 「杜仲茶」と「アマチャヅル茶」も、コレステロール値を下げる作用があります。

⇒「杜仲茶の効能・副作用」の記事へ

⇒「アマチャヅル茶の効能・副作用」の記事へ

アーティチョーク茶の副作用

アーティチョーク茶は、適量を守れば副作用リスクの少ない安全な健康茶ですが、過剰に摂取すると腸内にガスが溜まり、膨満感や胃部不快感が起こる場合があります。

また、菊やブタクサにアレルギーがある人は、アーティチョーク茶でもアレルギー反応が起きる可能性があります。
アレルギー反応としては、発疹、蕁麻疹、かゆみ、皮膚の発赤、喘息などがあるので、このような症状が起きた場合、飲用を止めてください。

アーティチョーク茶は、胆汁の分泌機能を刺激することで肝臓に影響を及ぼすため、肝機能に異常がある人や肝臓病を患っている人は、飲用する前に医師と相談してください。

 

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アーティチョーク茶の科学研究

アーティチョーク葉エキスの臨床作用について調べた研究

チュニジアでの動物を使った研究により、アーティチョーク葉エキスは、抗酸化作用、コレステロール低下作用、肝保護、胆汁増強および脂質低下の効果が実証されており、とくに肝臓を保護する能力に優れていて、場合によっては肝細胞の再生を促す効果もあると確認されています。
アーティチョークエキスは、消化器や腸のトラブル解決のために、人間が長期間にわたって使用できると結論づけています。

In animal studies, liquid extracts of the roots and leaves of artichoke have demonstrated an ability to protect the liver, with possibly even to help liver cells regenerate. Although research is not yet conclusive, scientists were optimistic that its long-standing use in humans for digestive and bowel problems was indeed justified.

Pharmacological Studies of Artichoke Leaf Extract and Their Health Benefits.

アーティチョーク葉エキスのコレステロール低下作用について調べた研究

75名の健康な被験者に、アーティチョークまたはプラセボを12週間服用させたところ、アーティチョークは、総コレステロール値の減少をもたらしました。この研究では、アーティチョークがコレステロール値を下げることで、心臓血管疾患のリスクを減らすことができると結論づけています。

Once plasma cholesterol reaches a certain level, drugs such as statins are often prescribed to help reduce it. Intervention before concentrations reaches these levels may help reduce the risk of developing cardiovascular diseases without the need for drugs.

Artichoke Leaf Extract Lowers Cholesterol