レモンマートルティーは、美肌作り・むくみ改善・リラックス などの効果があるとされる健康茶。

オーストラリアの先住民族アボリジニの治療薬でもあったレモンの香り漂うお茶は、心身を癒しながらキレイな肌を作ります。

レモンマートルティー 基本情報

原料 レモンマートルの葉や茎
原料の主な産地 オーストラリア
カフェイン 多少のカフェインを含む
主な成分 シトラール、精油成分、カルシウム、亜鉛、マグネシウム、ビタミンA、ビタミンE
作用 抗酸化作用、腫瘍抑制作用、抗菌作用、利尿作用
味覚 レモンの香りと渋みがある

レモンマートルの歴史

オーストラリアのレモンマートル畑。

 

レモンマートルはオーストラリア原産の植物。
先住民族アボリジニによって古くから薬草として使われてきました。

1932年にオーストラリアを調査していた植物学者が発見し、レモンマートルという名が付けられ、世界に知られるようになりました。
発見当初は、葉から精油成分を抽出し、エッセンシャルオイルとして利用することもありましたが、すでに、より安価なレモン系ハーブがあったので、レモンマートルの需要はあまりなかったようです。

1990年になると、レモンマートルの利用価値が再認識され、オーストラリアで大規模なレモンマートルの栽培が始まりました。
現在でも、商業用レモンマートルのほとんどは、オーストラリアのニューサウスウェールズ州クイーンズランド州と北海岸で栽培されています。

現在、レモンマートルの葉は、ハーブティーに加工されるほかに、観葉植物としてや、料理の味付けや製菓材料、そして精油成分はアロマテラピーのエッセンシャルオイル、ローションやリップバームなどのスキンケア製品などに幅広く利用されています。

レモンマートルティーの期待できる効能

  • 美肌作り
  • ニキビ・吹き出物改善
  • ストレス解消
  • 風邪の症状改善
  • 頭痛改善
  • 不眠症改善
  • むくみ解消
  • 疲労回復
  • 肥満予防

豊富に含まれるシトラールが、美容から健康まで優れた薬効を発揮する

レモンの香り成分シトラールを含むハーブは、レモンマートルの他に、レモングラス、レモンバーム、レモンバーベナなどがありますが、その中でシトラールの含有量がいちばん多いのは、レモンマートル。

シトラールをレモンの20倍も含むレモンマートルは、強烈なレモンの芳香を発します。

葉を高温で乾燥させると香りが強まるので、お茶に加工しても香りが弱まることはありません。

この香り成分は、抗菌作用や鎮痛作用、抗炎症作用、抗酸化作用、利尿作用など、人間の体にとって多くの優れた薬効を発揮することが分かっています。
そのため、レモンマートルティーの効能も、美容から健康維持まで幅広いのです。

例えば、風邪予防や美肌効果。

シトラールは、細菌やウイルスと闘ってくれるので、風邪の症状を和らげ、頭痛やのどの痛みを改善する効果があります。
皮膚の炎症を抑える働きもするので、ニキビや湿疹などの皮膚トラブルを解消し、美肌作りにも役立ちます。
血管の炎症を防ぎ、毛細血管を強化するので、目の下のクマ解消効果もあるようです。

肥満予防効果もあります。

シトラールは、細胞の結合組織再生を促進する作用があり、結合組織が破壊されることで発生するセルライトの形成を防ぐと言われています。
利尿作用に優れていることも、細胞に溜まった老廃物や余分な水分を排出してむくみを解消し、セルライトを防ぐ効果を高めています。
レモンマートルティーは、肥満やセルライトによる皮膚のデコボコを防いで、魅力的な身体作りをサポートしてくれるハーブティーだと言えます。

また、シトラールのさわやかな香りを嗅ぐことで、神経を鎮める作用が働き、リラックス効果や安眠効果もあるとされています。
アロマセラピーでは、レモンマートルのエッセンシャルオイルを、うつ症状や不眠症の改善目的に利用するようです。

レモンマートルティーの副作用

レモンマートルティーは、適量を飲用すれば健康や美容効果が得られますが、過剰に飲むと副作用が起きやすいハーブティーです。

過剰に摂取することで、脱水症状や、胃の不快感、嘔吐感などが起きる可能性があります。

また、歯のエナメル質を溶かすという報告や、胃腸のphレベルを変化させるという報告もあるので、レモンマートルティーは空腹時に飲むのを避けて、一日カップ1杯を限度にしたほうが良いでしょう。

レモンマートルティーのかしこい飲み方

レモンマートルティーは、単独で摂取すると濃いレモンの香りと強烈な渋みがあり、強力な有効成分による副作用も心配なので、他のハーブティーとブレンドすることをおすすめします。

レモンマートルティーは、レモンの香りはしますが、酸っぱくはないので、他のハーブティとも相性が良いですし、紅茶とブレンドすると、渋みが抑えられて口当たりが良くなります。

 

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レモンマートルの科学研究

レモンマートルの抗菌作用について調べた研究

オーストラリアの研究機関で、レモンマートル葉抽出物の細菌に対する作用を調べたところ、レモンマートルは、グラム陽性菌とグラム陰性菌で同様に抗菌作用が認められました。
更なる研究が必要とはされますが、レモンマートル葉抽出物が、消毒剤ならびに医薬目的、および腐敗を抑制するための食品添加物として利用できる可能性を示しています。

Both Gram-positive and Gram-negative were equally susceptible. The broad range of microbial usceptibilities indicates the potential of B. citriodora leaf extract as a surface disinfectant as well as for medicinal purposes and as food additives to inhibit spoilage. However, further studies are needed before these extracts can be applied to these purposes.

Antimicrobial activity of Backhousia citriodora (lemon myrtle) methanolic extracts

 

レモンマートルの有効成分シトラールの抗ガン効果について調べた研究

イスラエルでの研究により、シトラールは、ガン細胞のアポトーシスを誘導することが確認されています。
それゆえ、シトラールを多量に含むレモンマートルは、ガン抑制効果があると考えられます。

Concentrations of 44.5 muM, comparable to the concentration of citral in a cup of tea prepared from 1 g of lemon grass, induced apoptosis in several hematopoietic cancer cell lines.

Citral is a new inducer of caspase-3 in tumor cell lines.