エゾウコギ茶は、疲労・ストレス・放射能被ばく・ヘルペス などに効果があるとされる健康茶。

有効成分の作用が朝鮮人参と類似していて、スタミナアップ効果はバツグン。
スポーツをする人に愛飲者が多いようです。

エゾウコギ茶 基本情報

原料 エゾウコギの根
原料の主な産地 北海道、ロシア、中国
カフェイン ノンカフェイン
主な成分 エテウテロジド、イソフラキシジン、クロロゲン酸、ステロール
作用 抗疲労作用、抗酸化作用、鎮静作用、抗腫瘍作用
味覚 植物の根や土っぽい味がする

エゾウコギの歴史

エゾウコギは黒い実を付けますが、薬用があるのは根です。

 

エゾウコギは、朝鮮人参と同じウコギ科の植物で、北海道やシベリアなど寒い地域に自生しています。

1900年代半ば、当時のソ連は、高麗人参をオリンピック選手に服用させたいと考えていました。しかし、高麗人参は希少で高価。もっと安価で高麗人参の代わりとなるくらいパワーのある薬草はないかと探し、中国で古くから強壮剤として利用されてきたエゾウコギに目を付けました。

そして、目論見どおり、1980年開催のモスクワオリンピックで、エゾウコギを服用したソ連の選手は大活躍し、好成績を収めたのです。

そのことが世間に知れ渡ると、エゾウコギは、瞬く間に世界中から注目されるようになりました。

その後1986年、チェルノブイリ原発事故が起こった時もエゾウコギは大活躍。エゾウコギの解毒作用を知っていたソ連政府が、放射能の影響を打ち消すために、シベリア市民にエゾウコギを支給したのです。

日本の福島原発事故では、エゾウコギが配られたという話は聞きませんね。こういった薬草のチカラをもっと有効活用すればいいのにと思います。

最近の健康ブームでじわじわと人気が出てきて、サプリやお茶、ホワイトリカーに浸けるなどして利用する人が増えてきています。

エゾウコギ茶の期待できる効能

  • 疲労回復
  • ストレス解消
  • 認知症予防
  • 記憶力回復
  • デトックス
  • 放射能被ばく症状を防ぐ
  • 滋養強壮
  • 免疫力強化
  • 持久力アップ
  • ガン予防
  • ヘルペス改善

多くの薬用植物と異なり、エゾウコギは、病気を治すというよりも健康を維持する効能が高いのが特徴。

ここで、エゾウコギ茶に含まれる有効成分が、人間の体にどのように作用するのかをご紹介します。

エテウテロシド類が疲労を解消、免疫力を上げて病気を防ぐ

サポニンの一種であるエテウテロシド類は、エゾウコギの主要成分であり、高麗人参に含まれるジンセノイドとの類似作用が指摘されています。

エテウテロシドEが、免疫力を高めて自律神経を調整する作用、そして、エテウテロジドBが、疲労やストレスを和らげる作用があるので、疲労回復や、滋養強壮効果をもたらします。

疲労感が強い時やスポーツをした後、ストレスを感じているときにエゾウコギ茶を飲むと、疲れを解消して体調を整えることができるのです。

また、エテウテロシドEには抗腫瘍作用もあり、免疫細胞であるナチュラルキラー細胞(NK細胞)を活性化させて、腫瘍の増殖を抑制します。
それゆえエゾウコギ茶は、ガン予防、さらには、単純ヘルペスⅡ型感染症の改善などの効果があることが研究により確認されています。

このような、体を活性化して免疫力を高める作用により、体内の毒素を排出する働きも良くなるので、有害な化学物質から身を守ることができます。
つまり、エゾウコギ茶は体のデトックス効果もあるということ。

有害物質が排出されると体のストレスが減るため、放射能被ばくの副作用を減らしたり、風邪やインフルエンザなど細菌やウイルス性の病気を予防することができるのです。

イソフラキシジンがストレスを減らし、脳の働きを良くする

イソフラキジンは、脳中枢に作用して、副腎皮質ホルモンを分泌します。
副腎皮質ホルモンは、抗ストレス作用が強く、自律神経の働きを調節してストレスを排除。

体の活力と集中力を高めて、記憶力を改善、認知症も予防するといわれています。

ステロールとクロロゲン酸が血流を良くして、疲労回復やストレス解消効果を高める

ステロールは、血液成分に含まれるグルコース(血糖)をエネルギーに変えるのを促進し、代謝を高めます。
抗酸化作用のあるクロロゲン酸は、細胞の老化を防ぎ、血液成分を改善する作用があります。

これらの成分が血の巡りを良くすることで、体のデトックス作用を促進し、上記エテウテロジド類やイソフラキシジンの効能を総合的に高めているのです。

 

↓ 「イチョウ葉茶」も脳疾患を予防します。ストレス解消には「アマチャヅル茶」もオススメ。

⇒「イチョウ葉茶の効能・副作用」の記事へ

⇒「アマチャヅル茶の効能・副作用」の記事へ

エゾウコギ茶の副作用

エゾウコギ茶は、体内での作用が強力なので、子供に飲ませるのは控えてください

また、エゾウコギは多くの医薬品と相互作用します。
血液抗凝固剤やステロイド、心臓病薬、糖尿病薬、自己免疫疾患薬、鎮静剤などを服用している人は、エゾウコギ茶の飲用は避けてください。

また、まれにエゾウコギ茶が体質に合わず、副作用症状が起きる可能性があります。
頭痛や眠気、動悸、鼻血、嘔吐などの症状が現れた場合は、飲用を止めてください。

エゾウコギ茶を飲むタイミング

エゾウコギ茶は、一日1杯を目安に飲むと良いとされています。

研究によると、中程度の疲労に効果があるとのことなので、体をたくさん動かしたり運動した後に飲むのが良いでしょう。
集中力を高めるので、試験前や競技大会前に飲むと、良い成績を収めることができるかも。

カフェインや添加物満載のエナジードリンクなどよりは、自然原料を使ったエゾウコギ茶の方が体に良いことは間違いないので、”疲れた時の一杯はエゾウコギ” を習慣にすると良いですね。

ただ、長期間継続して飲用することで効果が薄れてくるとの研究もあるので、疲れが気になる時に一時的に、あるいは、結果を残したい時に数か月間だけ飲用するなど、飲むタイミングと期間を考慮した方が良いかもしれません。

 

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エゾウコギの科学研究

高齢者の健康におけるエゾウコギの作用を調べた研究

イタリアの大学研究で、プラセボとの二重盲検法で、高齢者の精神性と社会性におけるエゾウコギの作用を調べたところ、4週間の治療後、精神性と社会性機能改善の高い効果が示されました。ただ、継続的な使用により、効果が薄れることも確認されました。

In conclusion, E. senticosus safely improves some aspects of mental health and social functioning after 4 weeks of therapy, although these differences attenuate with continued use.

Effects of Siberian ginseng (Eleutherococcus senticosus maxim.) on elderly quality of life: a randomized clinical trial.

慢性疲労に対するエゾウコギの作用を調べた研究

アメリカでの研究で、96名の被験者にプラセボとエゾウコギを服用させ、疲労回復度合いを報告させたところ、エゾウコギ服用により、疲労が実質的に減少した面もありましたが、プラセボとの差は、統計的に有意ではありませんでした。
ですが、中程度の疲労に対してエゾウコギは有効であるとされ、更なる研究が期待されています。

Overall efficacy was not demonstrated. However, the findings of possible efficacy for patients with moderate fatigue suggests that further research may be of value.

Randomized controlled trial of Siberian ginseng for chronic fatigue.

エゾウコギのストレスに対する影響を調べた研究

日本での研究で、強制水泳させたマウスにエゾウコギ水抽出物を投与し、免疫細胞への影響を調べたところ、エゾウコギエキスは、ストレスホルモンの上昇を阻害し、免疫を活性化することが確認されました。

 Therefore, it is suggested that eleutheroside E may be contributed to the anti-fatigue action, the recovery of the reduction of NK activity and the inhibition of corticosterone elevation induced by swimming stress.

Effects of various Eleutherococcus senticosus cortex on swimming time, natural killer activity and corticosterone level in forced swimming stressed mice.