ニンジン葉茶は、体臭・糖尿病・ダイエット・ガン などに効果があるとされる健康茶。
イヤなにおいを消す効能が注目され、「消臭茶」「エチケットティー」などと称されることもあります。
ニンジン葉茶 基本情報
原料 | ニンジンの葉や茎 |
原料の主な産地 | 世界各国 |
カフェイン | ノンカフェイン |
主な成分 | ビタミンA、リジン、ビタミンC、カルシウム、スレオニン |
作用 | 抗酸化作用、消臭作用、肝臓・腎機能向上 |
味覚 | 苦みは無く、クセのない味 |
ニンジンの歴史
野生のニンジンは、どちらかというとゴボウのよう。
初めてニンジンが発見された場所は、アフガニスタン。
野生ニンジンは、市販のものと違ってオレンジ色の根ではなく、紫色でひょろひょろと細長い形状をしています。
発見された後、食用にするためにギリシャ人によって栽培されるようになり、徐々に太く大きくなっていきました。
ドイツに伝わってから、科学者によって味と色が少しずつ改良され、今日スーパーや八百屋で売られているようなオレンジ色で太い根を持つニンジンになったのです。現在世界中で食されているニンジンは、改良に改良を重ねた努力の結果、生まれた野菜なのです。
また、ニンジンは観賞用としても人間の目を楽しませてくれます。可憐でかわいらしい白い花をつけるニンジンは、イギリスに伝来当初、食用ではなく、花を愛でるために栽培されていたという事実もあります。
日本には16世紀の江戸時代に伝わり、当時は葉も食用にしていましたが、明治以降は一般的に根のみを食べるようになりました。
ニンジン葉茶の期待できる効能
- 体臭予防
- 口臭予防
- 糖尿病予防
- 高血圧改善
- 動脈硬化予防
- ダイエット
- 美肌
- ガン予防
濃い緑色と、苦みが特徴のニンジン葉。
植物は、緑色が濃いほどクロロフィルやビタミンC、カロテンが豊富に含まれているのです。
そして、特徴的な苦みも人間の体に有益に作用します。
ここで、ニンジン葉茶に含まれる有効成分が、人間の体にどのように作用するのかをご紹介します。
「植物の血液」クロロフィルが悪臭を防ぎ、カラダをデトックスする
ニンジン葉の濃い緑色を作っているのが、クロロフィル。別名「葉緑素」とも言います。
濃い緑色の野菜ほどクロロフィルが多いとされていて、独特の青臭い苦みを発します。
その苦みこそが、消臭効果を発揮する源。ニンジン葉の他に、同族のパセリも、匂い消し能力に優れています。
どちらも緑が濃く、苦みのある植物ですよね。
体臭や口臭のみならず、アンモニア臭や生臭さなどオールマイティに効果的とされていて、人工肛門利用者の排便臭も和らげると注目されています。
また、クロロフィルには腫瘍細胞の増殖を防ぐ作用もあり、ガン予防にも効果を発揮します。
軽度の利尿作用もあるため、腎臓の働きをサポートし、血液中の有害物質を尿として排出します。デトックス効果や結石を防ぐ効果も期待できるのです。
β-カロテンがビタミンAに変わり、美肌を作りガンをも防ぐ
英語名キャロットの由来にもなっているほど、ニンジンにはβ-カロテンが豊富に含まれています。
β-カロテンは、ニンジンの根の方に多いのですが、葉にも根の20%ほどの量が含まれていることが分かっています。
β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、細胞を酸化から守る抗酸化作用を発揮します。
カラダをサビさせる活性酸素を除去するので、上記クロロフィルの腫瘍抑制効果と相まって、ガン予防効果を高めます。
また、ビタミンAは、皮膚や粘膜を守って強化する作用があるので、肌荒れや、眼の充血、かゆみを和らげる効果があります。
ビタミンCとポリフェノールが、カラダの酸化を防ぐから消臭効果アップ
ニンジン葉には、根の6倍も多くビタミンCが含まれています。
豊富なビタミンCとポリフェノール、そして上記β-カロテンは、ニンジン葉の3大主要抗酸化成分。
これらの成分は、細胞を老化させる活性酸素を除去したり、コラーゲンの生成を促したり、免疫力をアップさせる働きをします。
さらに、ビタミンCとポリフェノールは脂肪の酸化を防ぐので、体臭や口臭を和らげ、上記クロロフィルの消臭効果を高めているのです。
リジンが血液成分を改善するから、病気やダイエットに効く
リジンは、上記クロロフィルやβ-カロテン、ビタミンC、ポリフェノールなどと同じく抗酸化作用がある成分で、コレステロールを減らして高血圧を改善するといわれています。
また、ブドウ糖の代謝を促進し、タンパク質の吸収率を高める働きがあるので、糖尿病の予防やダイエットにも効果があるとされています。
ニンジン葉茶を飲むと、糖質が脂肪になりにくくなり、さらに、タンパク質によって筋肉が付きやすくなるので、引き締まったプロポーションが作れるかもしれません。
カラダを活性化するスレオニンは、痩せやすい体質を作る
必須アミノ酸の1つであるスレオニンは、タンパク質のバランスを維持し、免疫を強化する働きをします。
つまり、代謝を活性化し、カラダを若々しく健康に保ってくれる成分。美肌作りにも一役買ってくれます。
さらに、栄養素をエネルギーに変える作用があるので、肥満防止やダイエット効果が見込めます。
ミネラル類が体内機能を正常化し、生活習慣病を防ぐ
ニンジン葉には、カルシウムとカリウムが特にたくさん含まれています。
カルシウムは根の5倍も含まれていて、ニンジン葉に含まれているビタミン類と組み合わさることで骨の強さと骨密度を保持し、骨粗しょう症リスクを減らします。
カリウムはマグネシウムと一緒になることで、血液循環を良くし、新陳代謝を高めます。
血中の過剰なナトリウムを排出するので、血圧を適正化。高血圧改善や動脈硬化や脳卒中予防効果を高めてくれます。
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ニンジン葉茶の副作用
ニンジンはセリ科の植物なので、同じセリ科であるセロリやパセリなどにアレルギーがある人は、ニンジン葉茶の飲用を避けてください。
アレルギー症状としては、吐き気や胃痛、発疹や発赤などが起こる可能性があります。
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ニンジン葉茶の作り方
市販のニンジン葉茶を購入することが最も手軽ですが、家庭菜園で栽培したニンジン葉でも簡単にお茶を作ることができます。
ニンジン葉を1週間ほど陰干しにして、細かく砕けば茶葉の出来上がり。
注意点は、葉に付いている汚れや農薬、化学残留物質などを念入りによく洗い流すこと。
健康を目的に飲むお茶が汚染されていたら、元も子もないですからね。
ニンジン葉の科学研究
ニンジン葉の抗酸化作用やコレステロール減少作用について調べた研究
日本の研究機関で、ニンジン葉の成分や生理学的効能について調査が行われました。
ニンジン葉には、栄養素によっては根よりも豊富に含んでいて、抗酸化作用が根よりも強力だということが確認されています。
これだけのパワーを持つ葉を、利用せずに廃棄してしまうのは、もったいない。ぜひお茶にして有効活用したいものです。
ニンジンの成分分析の結果、葉は根よりタンパク質、脂質、灰分、ビタミンCおよび食物繊維が多かった。
ポリフェノール量は、葉の茹でが最も高値であり、DPPHラジカル消去活性は、葉の生および茹でいずれも根より有意に高値であった。
悪玉コレステロールがラットで減った。高脂肪食に葉をプラスして投与することで、悪玉コレステロールとリン脂質が低い傾向が出た。ニンジンの葉の成分特性およびコレステロール投与ラットの血清脂質に及ぼす影響
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