カフェイン入り健康茶について
「茶の木」から作られたお茶はカフェイン入り
健康茶の原料には様々な植物が使われていますが、カフェイン入りのお茶は、全て「茶の木(チャノキ)」から作られています。
茶の木は、ツバキ科ツバキ属の常緑広葉樹で、地域によって品種が異なりますが、全ての品種にカフェインは含まれます。
この茶の木以外の原料から作られたお茶は、全てノンカフェイン。
数多くある健康茶のほとんどが、ノンカフェインということです。
茶の木を原料とし、カフェインを含んでいる代表的なお茶は、緑茶(煎茶、抹茶、玄米茶、ほうじ茶)、紅茶、ウーロン茶、プーアル茶、ジャスミン茶などがあります。
同じ茶ノ木を原料としていても、味も見た目も効能も異なるお茶ができるのは、それぞれ製造工程が違うから。
例えば、ウーロン茶は、煎茶を発酵途中で加熱して作られる半発酵茶。
その製造途中でウーロン茶特有の成分が生じ、脂肪吸収抑制作用が高まります。
また、ほうじ茶は、煎茶の茶葉を焙(ほう)じることによって、大部分のカフェインや苦み成分が失われ、子供や妊婦さんでも安心して飲めるお茶になります。
これらのお茶は、人類数千年の歴史の中で育まれてきたもの。
特に、緑茶は奈良時代から日本人の暮らしとは切っても切り離せない飲み物で、カフェインよりも、その他の有効成分による健康効果の方がはるかに注目されています。
それでは、ここで、カフェイン入りのお茶のカフェイン含有量と、それぞれの代表的な効能をご紹介します。
健康茶の種類によるカフェイン量(100ml抽出液)
※ 効能・副作用について詳しく知りたい人は、それぞれのお茶をクリックしてください。
お茶の種類 | 100ml中の カフェイン量 |
代表的な効能 |
煎茶 | 20mg | ガン、虫歯、糖尿病、高血圧 |
抹茶 | 60mg | ガン、美肌、むくみ、リラックス |
玄米茶 | 10mg | 風邪予防、口臭改善、リラックス |
ほうじ茶 | 10mg | 風邪予防、口臭改善 |
紅茶 | 20mg | 脳の活性、血糖値を下げる、血圧を下げる |
ウーロン茶 | 20mg | ダイエット、虫歯予防 |
プーアル茶 | 20mg | ダイエット、中性脂肪減少 |
ジャスミン茶 | 10mg | リラックス、口臭改善、血糖値を下げる |
ちなみに、コーヒーは・・・100mlで60mgのカフェインを含みます。
日本人の体質にはコーヒーよりも緑茶が合う
緑茶などの健康茶は、カフェイン含有量が少ないので、適量であればカフェインの弊害なく健康効果が得られます。
(抹茶のカフェイン量はコーヒーと同じくらいですが、そんなにガブガブ飲めるものではないので、例外とします。)
カフェインによる体への悪影響が問題になる飲み物は、コーヒーやエナジードリンク。
カフェインには中毒性があることが分かっていて、特にコーヒー愛飲者には、隠れた中毒者が多いと言われています。
コーヒーがなければ目が覚めないという人や、一日に何杯も飲まずにはいられない人は、もしかするとカフェイン中毒かもしれません。
そもそも、コーヒーは熱帯地方の飲み物なので、日本のような温帯地方の人間が飲むと体を冷やしすぎるそう。
コーヒーの発祥は、アフリカの一部の地域の人が飲んでいた民間茶。
それが、今では世界中に広まり、だれもかれもが、体質や気候を考えずに飲んでいるのです。
陽性の肉食をする欧米人は、陰性のコーヒーを常飲することでバランスがとれるそうですが、欧米人よりも肉を食べる量が少なく、胃腸が弱い人が多い日本人にとって、コーヒーが体に合わないのは当然のこと。
日本人には、古くから飲み継がれてきた緑茶という素晴らしい文化があるのに、なぜカフェやレストランには、コーヒーや紅茶しかないのか不思議に思いませんか?
美味しい緑茶を出す手ごろなカフェがもっと増えれば、日本人の健康レベルは向上するかも・・・
カフェイン入り健康茶のメリット・デメリット
近年、カフェイン含有量の多いドリンク剤を飲みすぎて死亡する男性がニュースになりました。 死亡とまではいかなくても、カフェイン中毒により5年間で100人も救急搬送されています。(出典:日本経済新聞)
適量のカフェインは、健康に良い作用がありますが、過剰に摂取すると体を害し、最悪の場合、死に至ることもあるのです。
コーヒーほど多くのカフェインを含まない健康茶は、カフェインによるメリットのみを得られる飲み物。
もちろん、健康茶といえども飲みすぎると過剰摂取で体に害となりますが、一日2、3杯、食後やリラックスタイムに飲むぶんには、健康効果の方が大きいでしょう。
それでは、ここで、カフェイン入りの健康茶を飲むメリットと、飲みすぎることによるデメリットをご紹介します。
カフェイン入り健康茶のメリット
脳の活性化・記憶力向上
大脳の精神機能を高揚させ、感覚や知能活動を敏感にして疲労感を解消する作用。
朝早い時間、大学生を対象に記憶力テストをさせたところ、カフェインを摂取した学生のテスト結果が向上したという実験結果がでていることからも証明されています。(出典:NCBI)
体の活性化・めぐり改善
カフェインは、交感神経を活性化させ、血圧を上げて心拍数を増加させる作用があります。
そのため、血液の巡りが良くなり、体が活動的になります。
習慣的に適度にカフェインを摂取するのであれば、健康に害はなく、むしろ心臓や血管にたいして有益な作用が得られることが分かっています。(出典:NCBI)
ダイエット・脂肪燃焼
緑茶に含まれるカテキンとカフェインを摂取すると、その後24時間のエネルギー消費と脂肪燃焼作用が高まることが、研究により明らかとなっています。(出典:The American Journal of Clinical Nutrition)
このことから、少量のカフェインは、痩せやすい身体作りに効果的ということが分かります。
むくみ改善・デトックス
カフェインは、尿管での水分の再吸収の抑制により、利尿作用があります。
つまり、体内の余分な水分を尿にする働きがあるので、むくみ改善やデトックス効果が得られます。
カフェイン入り健康茶のデメリット
胃が荒れる
カフェインには、胃液の分泌を促進する作用があります。空腹時に胃液が出すぎると、胃の粘膜が破壊され、炎症を起こしやすくなります。
健康茶はカフェイン含有量が少ないので、それほど神経質になる必要もありませんが、念のため、空腹時の飲用は避けた方が良いでしょう。
貧血
カフェインは、鉄分の吸収を阻害する作用があります。
特に、貧血気味の人や妊婦さんはカフェインの過剰摂取に要注意。
ちなみに、WHO(世界保健機関)では、妊婦さんのカフェイン摂取を「コーヒー1日3、4杯程度(300~400mg)までにすべき」と推奨しています。