アマランサスティーは、アトピー・ダイエット・貧血・抜け毛 などに効果があるとされる健康茶。

中米で「驚異の穀物」と呼ばれているアマランサスの種子が原料です。
スーパーフードとして人気のキヌアをしのぐほど栄養価が高いので、煎じてお茶にしても幅広い効能をもたらしてくれます。

サンザシ茶 基本情報

原料 アマランサスの種子
原料の主な産地 中米
カフェイン ノンカフェイン
主な成分 カルシウム、リジン、メチオニン、鉄分、マグネシウム、リン、カリウム、亜鉛
作用 抗酸化作用、抗炎症作用、精神安定作用
味覚 香ばしくのど越しが良い

アマランサスの歴史

古代アステカ文明では、アマランサス種子で神の偶像を作り、儀式に使っていました。

 

アマランサスは、3000~8000年前に現在のメキシコ中央部で、アステカ人達が栽培を始めたと伝えられています。
アステカ文明では、アマランサスの種子は食料としての他に、神への捧げものとして宗教儀式で利用されてきました。

15世紀になると、スペインの侵略者達が中南米に上陸。キリスト教を広めるために、宗教儀式で使われていたアマランサスの栽培を禁止し、畑をほとんど焼き払い、一時期アマランサスはほとんど絶滅状態になったといわれています。

その後、19世紀になるとアメリカやインドなどに栽培方法が伝わり、世界各地で栽培されるようになりました。
とくにインドでは、栄養豊富な穀物として重宝されています。

日本には、江戸時代に観賞用として伝わりました。
現在、東北地方の一部で「赤粟」と呼ばれて栽培されています。

アマランサスティーの期待できる効能

  • アトピー性皮膚炎改善
  • ダイエット
  • 抜け毛防止
  • 骨粗しょう症予防
  • 疲労回復
  • 貧血改善
  • 二日酔い防止
  • 関節炎・痛風緩和
  • ストレス解消
  • 精神安定

欧米でアマランサスティーと言えば、アマランサスの花や葉を乾燥させて熱湯で煎じたハーブティーが主流ですが、日本では入手しづらく一般的ではありません。

日本では、アマランサスの種子がネットなどでも手に入るので、フライパンなどで焙煎したものをティーバッグに入れて熱湯で煎じてお茶を作ります。
種子を使ったお茶は、花や葉を使ったハーブティーとは見た目も風味もまったく異なりますが、香ばしくてクセがなく美味しいものです。
もちろん、種子の栄養素がたっぷりと入っています。

ここで、アマランサスの種子を使ったお茶に含まれる有効成分が、人間の体にどのように作用するのかをご紹介します。

リジンがカルシウムの吸収を促進し、脂肪を減らす

アマランサスの種子には、リジンという必須アミノ酸が含まれています。
リジンが含まれている植物はほとんどなく、人間の体内でも生成できない貴重な成分。

カルシウムの取り込みを促進する作用があり、集中力を高めたり、毛髪を強化して脱毛を防ぐ効果があるとされています。

さらに、脂肪を分解する酵素の働きを活発にする作用もあるので、体に溜まった脂肪を減らすダイエット効果も期待できます。

メチオニンとフィトステロールが血液をサラサラにして、肝臓機能を高める

メチオニンは、細胞を酸化(サビ)させる活性酸素を除去する抗酸化作用や、血液中の悪玉コレステロールを減らす作用があります。
さらに、小腸で脂質の吸収を阻害するフィトステロールも、悪玉コレステロール減少効果を高めています。

これらの成分は、脂質を減らす善玉コレステロールを増やすので、血液を浄化する作用に優れ、肝臓の働きを助けます。
アルコールを分解する能力が高まるので、アマランサスティーには二日酔いを予防する効果があるとされています。

ペプチドがカラダの炎症をやわらげて、病気を防ぐ

近年の研究により、アマランサスの種子にはペプチドが含まれていることが明らかとなりました。

大豆にも含まれているペプチドには、抗酸化作用や抗炎症作用があり、細胞の老化やガン化を抑制する効果があります。
体の炎症を抑えるので、アトピーなどのアレルギー症状を改善や、関節炎や通風など炎症系疾患の緩和効果があるとされています。

豊富なビタミン類やミネラル類などが、心身を健康に保ちスタミナをつける

アマランサスの種子は、ビタミンやミネラルなどの栄養素を大量に含有しています。

白米と比べると、タンパク質は2倍、食物繊維は2倍、鉄分は10倍、カルシウムは30倍も多い。
スーパーフードのキヌアよりも、食物繊維やミネラル類は総じて多いという素晴らしい栄養食品なのです。

とくにカルシウムの含有量が多いので、骨や歯を強くし、骨粗しょう症を防ぐ効果や、代謝機能を安定させてカラダの調子を整える効果、精神を安定させてイライラ感を鎮める効果があるとされています。

上記リジンのカルシウム吸収促進作用もあるので、アマランサスティーはカルシウムを効率的に摂取するのに最適な飲み物といえます。

また、アマランサスティーには、鉄分も豊富に含まれていて、赤血球の産生を促進して貧血を改善します。
血液成分が良くなることで、体のすみずみにまで酸素と栄養素が運ばれ、疲労回復効果や滋養強壮効果も見込めます。

アマランサスティーの副作用

ヨーロッパでは、アマランサスの花をハーブティーに利用します。

 

欧米で飲まれているアマランサスの花や葉を使ったハーブティーには、シュウ酸が含まれているので、大量に飲むと腎臓結石や胆石を持っている人は症状が悪化する可能性があります。

一方、アマランサスの種子を煎じて作ったお茶であれば、副作用のリスクはありません。
安心して飲んで、栄養素をたっぷり摂取してください。

アマランサスティーを飲むタイミング

アマランサスティーはノンカフェインなので、いつでも好きなタイミングで飲むことができます。

アルコールを飲む前にアマランサスティーを一杯飲むと、二日酔いを予防できます。

あるいは、病後や食欲がない時に飲むと、アマランサスの豊富な栄養素が体力低下を防いでくれるはず。

普段の食事が外食やコンビニ弁当という人や、栄養バランスの崩れが気になる人もアマランサスティーを常飲すると良いですね。

 

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アマランサスティーの科学研究

アマランサスの抗肥満活性を調べた研究

アマランサスは、ケニアで肥満予防対策として伝統的に使われている植物です。

アマランサスの葉にはサポニン、フラボノイド、アルカロイド、ステロイドなど様々な成分が含まれていることが、ケニアの大学研究で確認されました、これらの成分が肥満の抑制および体重管理に役立っていると考えられています。

The present study showed high food intake in the negative control group as compared with normal control, positive control, and treatment groups. These extracts contained various phytochemicals such as saponins, flavonoids, alkaloids, and steroids and therefore validate use of aforementioned plants in the suppression of obesity and their use for management of obesity is recommended.

Antiobesity Activities of Methanolic Extracts of Amaranthus dubius, Cucurbita pepo, and Vigna unguiculata in Progesterone-Induced Obese Mice.

アマランサス種子のコレステロール値低下作用について調べた研究

カナダでの研究で、アマランサスの種子は、悪玉コレステロール値を低下させ、善玉コレステロール値を上昇させることが確認されました。
ハムスターを使った実験で、悪玉コレステロール値が21~50%減少したという結果が出ています。

Amaranth grain (20%; providing 1.4% amaranth oil) lowered non-HDL cholesterol and raised HDL cholesterol. Amaranth grain and oil decreased very low-density lipoprotein (VLDL) cholesterol by 21-50%; and increased fecal excretion of particular neutral sterols and the bile acid ursodeoxycholate.

Cholesterol-lowering properties of amaranth grain and oil in hamsters.

アマランサス種子の抗酸化活性について調べた研究

イタリアとポーランドの共同研究で、アマランサス種子と、かぼちゃ種子の抗酸化力を調べたところ、カボチャ種子はアマランサス種子よりもフェノール系化合物を多く含有しているが、抗酸化力が低いことが確認されました。一方、アマランス種子は活性酸素に対してかぼちゃ種子よりも強い抗酸化力を示しました。
アマランサス種子は、フェノール系化合物以外にも活性酸素を除去する成分を多く含有しているということになります。

Pumpkin seeds showed the higher content of TPC than that from amaranth. The TEAC values of both extracts were similar each other. The lower value of FRAP was observed for pumpkin seed. Phenolic compound present in amaranth grain exhibited strongest antiradical properties against DPPH radical.

Antioxidative activities and phenolic compounds of pumpkin (Cucurbita pepo) seeds and amaranth (Amaranthus caudatus) grain extracts.