ギンネム茶は、美肌・免疫力アップ・精神安定・骨粗しょう症予防 などの効果があるとされる健康茶。
大きな茶色いサヤが特徴的なギンネム。その色味から、英語圏では「鉛の木(Lead tree)」と呼ばれています。
ギンネム茶 基本情報
原料 | ギンネムの葉や種子 |
原料の主な産地 | メキシコまたは南アフリカ原産。熱帯、亜熱帯地方に分布している。 |
カフェイン | 多少のカフェインを含む |
主な成分 | カルシウム、カリウム、タンパク質、マグネシウム、リン、鉄分、ビタミンK、食物繊維 |
作用 | 抗酸化作用、利尿作用、整腸作用、精神安定作用 |
味覚 | クセがなくさっぱりしている |
ギンネムとは?
成長が早く繁殖力が強いギンネムは、他の植物にとって脅威にもなりえます。
ギンネムは熱帯地方に生息する、マメ科の植物。
生命力が強く、雑草のように密生して生えるので、「衝突する木(Conflict tree)」と称されることもあります。
東南アジア諸国では、1970年代から1980年代にかけてギンネムの栽培が盛んにおこなわれ、家畜の飼料や薪、木炭生産のために使われていました。
ギンネムは栄養豊富なので高品質な飼料として利用されていますが、ミモシンという有毒アミノ酸が含まれているのが難点。
ミモシンは甲状腺ホルモン異常を引き起こし、摂取しすぎた家畜は、脱毛や成長阻害といった弊害が現れます。
オーストラリアなどでは、牛や豚などの家畜に、ミモシンを無毒化する酵素を投与してギンネムを与えているようです。
日本には1910年に伝来し、沖縄県で緑肥や薪に利用されていました。
1950年には、沖縄のギンネム研究所で、ギンネムのミモシン(毒素)除去に成功し、醗酵ギンネム茶として商品化されています。
ギンネム茶の期待できる効能
- 美肌作り
- 整腸効果
- 精神安定効果
- ニキビ・乾癬改善
- 免疫力強化
- 高血圧予防
- 骨粗しょう症予防
地中深くに根を張り、土の養分を存分に吸収して成長するギンネムは、お茶に加工しても栄養豊富。
飲めば、生命力あふれるギンネムパワーを摂取できます。
ここで、ギンネム茶に含まれる有効成分が、人間の体にどのように作用するのかをご紹介します。
タンパク質と酵素が、健康なカラダと美肌を作る
マメ科の植物であるギンネムは、その25%がタンパク質で構成されています。
タンパク質は、身体を構成する材料となり、免疫力を高める作用がある成分。
また、ギンネム茶には、皮膚細胞であるコラーゲン形成を促す酵素も含まれているので、タンパク質と組み合わさることにより、肌を健康に保つ働きをします。
皮膚のハリを保ち、乾燥やシワ、くすみを防ぐ効果が期待できます。
カルシウムが体内機能を正常化し、ココロを安定させる
ギンネムは、ミネラル類も豊富に含んでいます。
とくにカルシウム含有量は、他の植物には見られないほど豊富。緑茶と比べると、ギンネム茶には20倍も多くカルシウムが含まれています。
カルシウムには、骨や歯を形成する働きの他に、精神安定作用や、新陳代謝を正常化する作用があります。
ギンネム茶は、カルシウム不足による骨粗しょう症を防ぎ、イライラ感を解消してリラックスする効果が期待できます。
カルシウムの相棒マグネシウムが、ギンネムの薬効を高める
マグネシウムは、カルシウムと共同作業をする成分。
体内に入ると、カルシウムと一緒にエネルギー代謝を高めたり、骨を形成したり、血糖値や血圧を調整したりと身体が正常に機能するよう働いてくれます。
体を活性化させ、免疫力アップにも貢献してくれます。
さらに、酵素の働きをサポートして、ギンネムに含まれるタンパク質の吸収を促進するので、美肌効果を高めます。
豊富な鉄分が血液を作り、貧血を防ぐ
ギンネム茶は鉄分も豊富に含みます。その量、なんと緑茶の約3倍。
鉄分は、血液を作る大切な役目をし、各臓器に酸素と栄養素を充分に届けるために欠かせない成分。
とく毎月生理のある女性は、鉄分不足でだるさを感じたり、冷え性になったりと体調不良に陥りがちです。
そんな時、ギンネム茶が健康管理をサポートしてくれるはず。鉄分豊富なギンネム茶は、女性に優しい健康茶といえます。
カリウムが体内水分量をコントロールし、老廃物を排出する
利尿作用があるカリウムは、体内の過剰なナトリウムや水分を尿として排出するので、血流が改善し血圧上昇を防ぎます。
むくみ改善や高血圧予防に効果を発揮します。
食物繊維が腸を整え、便秘を解消。血液をサラサラにする
ギンネムに含まれる食物繊維は、腸の働きを活発にして、便秘を解消します。
また、腸の中でコレステロールや糖分の吸収を妨げる働きをするので、血圧や血糖値の上昇を抑制する効果も期待できます。
ギンネム茶の副作用
有毒物質ミモシンを排除したギンネム茶は、副作用の心配がない安全な健康茶です。
ただ、ギンネム茶は血圧低下作用があるので、普段から低血圧の人や水分摂取に制限がある人は、大量の飲用は避けたほうが良いでしょう。
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ギンネム配合。母乳の出だけでなく、むくみ・冷え性改善にも効く。
「タンポポ茶」「ギンネム茶」「黒豆茶」を配合。母乳育児をサポートするお茶と謳っていますが、管理人がむくみ解消、冷え性改善目的で飲んだところ、かなり効果がありました。
(「たんぽぽ茶ブレンドで、冷え性改善と脚やせを試みた結果」の記事を参考にしてください。)
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ギンネム茶の科学研究
ギンネム茶のラットにおける作用を調べた研究
琉球大学での研究により、ギンネムを発酵プロセスを通して乾燥、粉砕すると、有毒物質ミモシンやHPは消滅することが確認されています。この抽出物をラットに与えた場合、飼料摂取量、水消費量、体重に影響を及ぼさないことが確認されました。
ギンネムは、カルシウムの優れた供給源となり、コレステロールや血圧の上昇を抑制する効能があることが証明されています。
Leucaena tea has been sold commercially since 1989; it has a good flavour, is a good source of Ca, and may also depress serum cholesterol and raise blood pressure.
ギンネム種子の抗酸化作用について調べた研究
タイで行なわれた研究において、ギンネムの種子には抗酸化作用があり、抽出法や乾燥方法によってその強度に違いが出ることが確認されました。
60℃のオーブンで乾燥させた場合よりも、凍結乾燥させた方が高い抗酸化活性を示しました。
このことは、ギンネムが脂質酸化を防止するための天然抗酸化剤として役立つことを示しています。
Compared to the oven drying at 60 °C, freeze drying was found to be an appropriate method, which could maintain the higher antioxidative activity of the extract. Therefore, the lead brown seed extract obtained by using a suitable solvent and drying method could serve as an alternative natural antioxidant to prevent lipid oxidation in different food systems.