スギナ茶は、結石・肝臓病・高血圧・骨粗しょう症 などに効果があるとされる健康茶。

スギナはツクシが成長したもので、春から初夏にかけて野原に生える植物です。
生命力が強く、根が深いので、畑や果樹園などでは忌み嫌われる草ですが、世界各国で古くから薬草として民間療法に使用されてきました。

スギナ茶 基本情報

原料 スギナの葉や茎
原料の主な産地 世界中に分布する
カフェイン ノンカフェイン
主な成分 エキセトニン、ケイ素、葉緑素、カルシウム、タンニン、マグネシウム
作用 利尿作用、抗酸化作用、抗炎症作用、殺菌作用、解毒作用
味覚 味が薄く、スッキリとしている

スギナの歴史

江戸時代の書物「新訂増補和蘭薬鏡」にスギナの記述が見られます。

 

ヨーロッパでは古くからスギナを薬草として用いていました。
古代ギリシア人やローマ人が、腎臓、膀胱トラブル、関節炎、潰瘍、結核の民間療法で服用していたといいます。

中国では、解熱、結膜炎、赤痢、インフルエンザ、痔、目の炎症を改善する薬として利用してきました。
インドでは、木製の家具や道具を磨くためにスギナを使っているそう。

日本にスギナの薬効が伝わったのは、江戸時代になってから。
1830年に、西洋薬物書の翻訳書である「新訂増補和蘭薬鏡」で、「内外諸部の潰瘍、糖尿病に効く」とスギナの効能が紹介されました。

以来、健康茶や軟膏として、様々な疾病の改善・予防目的で利用されています。

スギナ茶の期待できる効能

  • 結石改善
  • 腎炎・膀胱炎改善
  • 糖尿病予防
  • 高血圧改善
  • 肝臓病改善
  • アトピー性皮膚炎改善
  • 鼻炎改善
  • 骨粗しょう症予防
  • ガン予防

スギナは、他の植物ではめったに見られないケイ素を含んでいることが特徴。

ここで、スギナに含まれる有効成分が、人間の体にどのような作用をもたらすのかをご紹介します。

サポニン(エキセトニン)が、ガン細胞の成長を阻止

スギナには、抗酸化作用があるサポニンの一種エキセトニンが含まれていて、ガン細胞抑制効果があるとされています。
実際に、スギナ茶を飲んで食道ガン、大腸ガン、胃ガンなど多くののガンが治癒したとの報告が挙がっています。

ケイ素が、血液をサラサラにしてあらゆる病気を予防する

ケイ素には、新陳代謝を高め、血中の酸素を補給し、血液を浄化する作用があります。淀んだ血液をサラサラにするので、高血圧や糖尿病の予防に効果を発揮します。

スギナにはナトリウムがあまり含まれていないことも、血圧・血糖値正常化作用が高い要因です。
ナトリウムが少ないため、体の老廃物や有害物質が尿と一緒に排出されるので、解毒を受け持つ肝臓の働きを助けることにつながります。
そして、肝機能が向上することにより、過剰なコレステロールが排除されます。

つまり、スギナ茶を飲むと、高血圧や糖尿病だけでなく、肝硬変や急性肝炎などの肝臓病改善も期待できるのです。

「スギナ茶を飲んだら胆石が消えた」という報告も多く聞かれますが、スギナ茶がどのようなメカニズムで胆石に効くのかはまだ解明されていません。
ケイ素や上記エキセトニンなどの成分が、総合的に組み合わさることによって、胆石を溶かす作用が発生するのではないかと考えられています。

「植物の血液」葉緑素は、免疫力を上げる

葉緑素は、免疫力強化作用、殺菌作用、抗菌作用があり、スギナ茶においては他成分の働きと相まって、腎炎や膀胱炎を改善するといわれています。
血糖値を下げる作用もあり、ケイ素の血液浄化作用との相乗効果で糖尿病を予防

また、炎症を抑えて粘膜を保護するので、アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎にも効果があるとされています。

豊富なミネラル類。とくにカルシウムが多い

スギナには、カルシウムやマグネシウム、リン、カリウムなどのミネラル類が豊富に含まれています。

カルシウムはほうれん草の155倍もの量を含有していて、しかも、体に吸収されやすいペクチン酸カルシウムです。新陳代謝を活性化するケイ素により、さらに吸収力が高められ、骨を丈夫にします。

スギナ茶は、骨の重量減少を防ぐので、骨粗しょう症予防に効果的なのです。

かゆみを抑え、かぶれを改善するタンニン

スギナ茶には、渋み成分であるタンニンが含まれています。

タンニンにはかゆみを和らげる作用があり、スギナ茶に含まれる葉緑素の抗菌・抗炎症作用との相乗効果により、皮膚のかゆみを抑えます。
実際、スギナ茶を濃く煮出した抽出液を皮膚に塗ったり、スギナを入れたお風呂に浸かると、ウルシかぶれによるかゆみを抑えることができます。

スギナ茶の副作用

スギナ茶には少量のニコチンを含むため、大量に飲むと胃腸を痛め、下痢が起こる場合があるので注意が必要です。
子供や妊娠中、授乳中の女性も飲用を避けてください。

スギナは野山に多く自生しているので、誰でもスギナ茶を作ることができますが、適切に作られていないものは、体内のチアミン(ビタミンB1)を壊し、肝臓損傷を引き起こす可能性があります。

また、まれにスギナにアレルギー症状を持つ人もいます。発疹、嚥下困難、顔の腫れなどが現れた場合は、飲用を止めてください。

スギナ茶の効果的な飲み方

すでに体内に胆石がある場合は、一時的にスギナの量を2倍にして煎じたお茶を飲むと良いとされています。
スギナ茶は長期間にわたって飲み続けると胃腸に負担をかけるので、症状がなくなったら、飲用を止めてください。

病気の予防に日常的に飲みたいというのであれば、薄目に煎じたものを一日300cc程度飲むことをおすすめします。

 

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スギナ茶の科学研究

スギナの抗炎症作用について調べた研究

スギナ抽出物は免疫細胞に作用して、炎症を抑制する効果があることが明らかとなりました。臨床に用いるために更なる研究が必要とされます。

The presented data indicate that the Equisetum arvense extract used interferes polyfunctionally with immunocompetent cells, thereby providing a potential mechanism that explains its traditional use in the treatment of inflammatory disorders. However, further studies should be conducted to prove its clinical potency.

Equisetum arvense (common horsetail) modulates the function of inflammatory immunocompetent cells

スギナのリウマチ関節炎における影響を調べた研究

中国での研究により、スギナ混合物は、慢性関節リウマチに対して顕著な治癒効果を発揮することが明らかとなりました。
リウマチ炎症を起こす物質に対するスギナの有効性を観察したところ、スギナ投与は80%、スギナ投与無しだと16,67%という結果が出たのです。安全で信頼性も高いと結論付けられています。

It was concluded that horsetail mixture has remarkable curative effect on rheumatoid arthritis, and its clinical application is safe and reliable.

Horsetail mixture on rheumatoid arthritis and its regulation on TNF-α and IL-10.

スギナの軟膏の、創傷治癒における効能を調べた研究

イランの研究で、スギナ3%含有した軟膏は、創傷治癒を促進し10日間痛みを和らげました。

According to our findings, 3% Equisetum arvense ointment promoted wound healing and relieved pain during the 10-day period after episiotomy.

The Effect of Equisetum Arvense (Horse Tail) Ointment on Wound Healing and Pain Intensity After Episiotomy: A Randomized Placebo-Controlled Trial