シイタケ茶は、高血圧改善・脳梗塞予防・ガン予防・骨粗しょう症予防 などの効果があるとされる健康茶です。
日本では、食卓に上ることも多いおなじみの食材ですが、実は、中国ではクスリとしても扱われているほど薬効があるシイタケ。
とくに血圧降下作用に優れているので、コレステロール値が高い人や数値が気になる人は、ぜひ飲んでみてください。
シイタケ茶 基本情報
| 原料 | シイタケ |
| 原料の主な産地 | 中国、日本 |
| カフェイン | ノンカフェイン |
| 主な成分 | レンチナン、エルゴステリン、エリタデニン、リノール酸、必須アミノ酸、グアニル酸、カリウム |
| 作用 | 抗酸化作用、抗腫瘍作用、利尿作用、血圧降下作用、コレステロール値低下作用 |
| 味覚 | シイタケの風味がする |
シイタケの歴史
原木にびっしり生えるシイタケ
中国医学では、古くからシイタケを薬用として利用してきました。
生薬として益気、健脾、健胃、化痰の作用があり、貧血や高血圧に効くとされています。
5000年以上前から伝わる中国の神話では、人々に医療と農耕の術を教えたという神様、炎帝神農（えんていしんのう）によってシイタケが中国にもたらされたとされています。
そんな伝説もあるほど、シイタケは薬用植物として優れた効能があるということですね。
シイタケを初めて食用、薬用としたのは中国ですが、シイタケ栽培を始めたのは日本。
約400年前の江戸時代初期に、現在の大分県でシイタケの栽培が始まりました。
当初は、シイやクヌギなどの原木にナタで切り込みを入れ、シイタケの胞子が自然に飛んできて着床するのを待つという、極めてギャンブル的な方法で栽培していたようです。
その後、胞子を繁殖させて着床させる方法が開発されて、安定して生産されるようになりました。
大分県でシイタケ栽培が始まった流れは現在にも引き継がれ、今でも大分県は、全国のシイタケ生産量第一位を誇ります。
シイタケ茶の期待できる効能
- 高血圧改善
- 心筋梗塞予防
- ガン予防
- 骨粗しょう症予防
- 肥満予防
- 動脈硬化予防
一般的に売られているシイタケ茶には、塩や砂糖、化学調味料で味付けされているものも多くあります。
健康目的でシイタケ茶を飲むならば、これら添加物が含まれていない、原材料シイタケ100％のものを選んでください。
特に、発ガン性のあるグルタミン酸ナトリウム（アミノ酸と記載されている）を加えてあるものは避けた方が賢明。
添加物は、せっかくのシイタケによる薬効を帳消しにしてしまいます。
ここで、シイタケ茶に含まれる主な有効成分が、人間の体にどのような作用をもたらすのかをご紹介します。
エリタデニンが血の巡りを良くして、生活習慣病を防ぐ
エリタデニンは、血圧を下げる作用で有名な成分。
血中のコレステロール値を下げる作用と、血管壁に脂肪が付着するのを防ぐ作用があるので、血液をサラサラにして、血圧を正常化させる効果があるのです。
そのため、シイタケ茶は、高血圧を改善し、心筋梗塞や動脈硬化、脳梗塞を予防するといわれています。
遺伝子を守るレンチナンが、ガン細胞増殖を防ぐ
レンチナンには、細胞を酸化から守る抗酸化作用があり、DNAの損傷を防ぐ働きをします。免疫力を強化してガン腫瘍の発生を抑え、抗がん治療によって引き起こされる染色体損傷を治癒する効果が確認されています。
さらに、レンチナンには抗ウイルス作用もあるので、シイタケ茶を飲むことで、ウイルス性の風邪やインフルエンザなどを予防することも可能です。
リノール酸が骨密度を保ち、骨を強化する
シイタケには必須脂肪酸の１つであるリノール酸が含まれています。
リノール酸は、筋肉や骨を作るのに欠かせない成分。骨を強くするので、骨粗しょう症を予防します。
脂肪を減少させる作用もあるので、肥満予防効果も期待できます。
体を正常に機能させるビタミンやミネラル類が、病気に負けないカラダを作る
シイタケは、ビタミンやミネラル類も豊富に含んでいます。
とくにエルゴステリンと呼ばれるビタミンDが豊富。
ビタミンDは、太陽に当たると体内で生成される成分なのですが、シイタケ茶を飲むことでも天然のビタミンDを補給できます。
骨を丈夫にし、免疫システムを正常化する作用があるので、上記エリタデニンやリノール酸の作用との相乗効果で、高血圧改善や骨粗しょう症予防効果を高めます。
また、シイタケには、食物の栄養素をエネルギーに変える役割をしてくれるビタミンBも多く含まれています。
そのため、シイタケ茶を飲むことで体や脳が活性化。血流が改善して集中力が高まるといわれています。
利尿作用のあるカリウムは、体内の過剰な塩分を尿といっしょに排出します。高血圧改善に役立つ成分です。
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シイタケ茶の副作用
シイタケは日本人にとってなじみ深く、食事のメニューにもよく登場する食品ですが、まれにシイタケにアレルギー反応が出る場合があります。
ほとんどの場合、シイタケアレルギーは皮膚に症状が表れるので、シイタケ茶を飲んで発疹や発赤などが出た場合は、飲用を止めてください。
また、上記で書いたように、市販のシイタケ茶には化学調味料や砂糖、塩が含まれているものがあるので、飲みすぎによる過剰な添加物摂取には気を付けてください。
シイタケ茶を飲むタイミング
シイタケ茶はノンカフェインなので、いつでも好きなタイミングで飲むことができます。
カルシウムの吸収を促進するビタミンDを豊富に含むので、食事と一緒に飲むことで、骨を強くする効果が高まります。
クスリではないので、即効性はありませんが、飲み続けることでゆっくりと効果が現れるはず。
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シイタケ茶の科学研究
血中コレステロール値におけるシイタケの作用を調べた研究
静岡大学での研究で、シイタケの成分エリタデニンは、血中コレステロール濃度を低下させることが確認されました。
さらに、肝臓の脂質代謝を変化させるエリタデニンの作用が、コレステロールを下げる要因であることも明らかとなっています。
Both the PC:PE ratio and the SAM:SAH ratio decreased significantly prior to the decrease in the plasma cholesterol concentration (1 d vs. 2 d after) in response to eritadenine supplementation, supporting the hypothesis that the alteration of hepatic phospholipid metabolism may be a cause of the hypocholesterolemic action of eritadenine.
シイタケの免疫機能改善作用を調べた研究
アメリカの研究機関で、健康な男女52人（21～41歳）に毎日5～10ｇのシイタケを食べさせたところ、シイタケは、細胞エフェクター機能を改善して腸の免疫機能を活性化することが確認されました。また、シイタケは、体内の炎症を改善する作用もあることが確認されています。
Regular L. edodes consumption resulted in improved immunity, as seen by improved cell proliferation and activation and increased sIgA production. The changes observed in cytokine and serum CRP levels suggest that these improvements occurred under conditions that were less inflammatory than those that existed before consumption.
シイタケのガン細胞増殖阻害作用とアポトーシス誘導作用について調べた研究
シイタケは、乳がん細胞株、良性乳房上皮細胞株、骨髄腫細胞株において、腫瘍細胞の増殖を阻害することが、アメリカでの研究により明らかとなりました。シイタケは、ガン細胞のアポトーシス（自滅）を促したのです。
These data suggest that inhibition of growth in tumor cells by “mycochemicals” in shiitake mushrooms may result from induction of apoptosis.
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