カキドオシ茶は、結石・ぜんそく・気管支炎・美肌 などに効果があるとされる健康茶。

ペパーミントのような風味がするので好き嫌いが分かれるお茶ですが、古くから漢方薬として利用されてきた歴史もあり、薬効高い成分を含んでいます。

カキドオシ茶 基本情報

原料 カキドオシの葉
原料の主な産地 ヨーロッパ原産だが、北半球に広く分布している
カフェイン ノンカフェイン
主な成分 セルキテルペン類、フラボノイド類、ビタミンC、サポニン、タンニン、精油成分
作用 抗酸化作用、抗炎症作用、利尿作用
味覚 独特の香りが強く、ミント風味

カキドオシの歴史

コンクリートを超えて成長するカキドオシ。生命力の強い植物です。

 

シソ科の植物であるカキドオシは、北半球のいたるところに自生していて、芝生にはびこる厄介な雑草とみなされる植物。

ですが、その反面、何百年にも渡り、中国で漢方生薬やヨーロッパで民間療法の薬として用いられてきた薬草でもあります。
ヨーロッパ諸国では、薬草としての他に、ビールの香料や防腐剤、清涼剤としてもカキドオシを利用してきたそう。

日本でも各地で道端などに自生していて、地面に這うように成長しているのを見かけます。
横に伸びた茎のところどころから根を張り、垣根を超えて侵入してくることから、「カキドオシ(垣通し)」という名が付きました。

別名「カントリソウ(癇取り草)」とも言い、昔、子供のかんしゃく虫を抑える作用があるとして、幼児にもカキドオシ茶を飲ませていたそうです。

カキドオシ茶の期待できる効能

  • 結石改善
  • 肝臓病予防
  • 咳を和らげる
  • 気管支炎改善
  • ぜんそく改善
  • リラックス効果
  • 美肌効果

カキドオシ茶の最大の特徴は、尿の出を良くする作用に優れていること。
その効能は、健康茶のなかでも群を抜いています。

ここで、カキドオシ茶に含まれる有効成分が、人間の体にどのように働くのかをご紹介します。

サポニンとタンニンが、結石を溶かして体外に排出する

カキドオシに豊富に含まれるサポニンとタンニンの共同作業により、カキドオシ茶は、胆道や腎臓、膀胱、尿路などにできる結石を取り去る効果があるとされています。

結石とは、体内の過剰なカルシウムが血管壁や内臓周辺にこびりついてできるもの。
改善するには、石を溶かすか小さくし、結石を尿と一緒に排出させる必要があります。

カキドオシ茶に含まれるタンニンには、余剰カルシウムと結合して結石を溶かす作用があり、サポニンには、余分な水分を尿として排出する働きがあるので、尿の量を増やして結石を排出しやすくします。

また、サポニンには筋肉のけいれんを抑える鎮静作用や、体内の炎症を和らげる作用もあり、咳や気管支炎、喘息などの改善効果もあります。

香りを生み出す精油成分が、ココロを落ち着かせてリラックスさせる

カキドオシに含まれるセルキテルペンという精油成分は、ペパーミントのような芳香がして、リラックス作用や精神安定作用があります。
ちょっとイライラした時や、不安を感じている時にカキドオシ茶を飲むと、良い気分転換となるだけでなく、ストレスを緩和して気持ちが落ち着くはずです。

また、この精油成分には、抗炎症作用もあり、上記サポニンとの相乗効果により、気管支炎や咳の症状を和らげます。

ビタミンCとフラボノイド類がキレイな肌を作り、病気も防ぐ

カキドオシには、抗酸化作用のあるビタミンCとフラボノイド類が含まれています。
肌のコラーゲン生成を促進し、皮膚の老廃物であるメラニン色素を排出する働きをするビタミンCは、美肌作りに欠かせない成分。

フラボノイド類は、細胞膜を強化して皮膚の炎症を防ぐ作用があるので、ビタミンCの働きと相まって、ニキビや吹き出物などの炎症のない、健康的な肌を作ります。

近年の研究で、カキドオシの抽出エキスが、副作用なくメラニンを減少させることが証明され、美白化粧品の原料にもなりえると言われています。

さらに、カキドオシに含まれるフラボノイド類は、コレステロールや中性脂肪を減らして血液成分を改善するので、肝臓に蓄積する脂肪が減少。肝臓病予防にも効果を発揮します。

 

↓ 「ウラジロガシ茶」や「スギナ茶」も結石を改善します。

⇒「ウラジロガシ茶の効能・副作用」の記事へ

⇒「スギナ茶の効能・副作用」の記事へ

カキドオシ茶の副作用

カキドオシ茶は、利尿作用がかなり強いので、腎臓病や肝臓病を患っている人は飲用する前に医師と相談してください。
また、血液抗凝固剤などの医薬品と相互作用をすることが分かっていますので、服薬中の人は注意が必要です。

過剰摂取すると胃腸障害や腎炎を引き起こすという報告もあるので、適量を守って飲用してください。

 

↓ Amazon や楽天でカキドオシ茶を購入できます

カキドオシの科学研究

カキドオシの抗メラニン作用について調べた研究

日本での研究により、カキドオシの葉は、細胞内メラニン顔料とチロシナーゼ活性の両方を減少させることが確認されました。細胞障害性もないので、カキドオシが色素沈着を治療する有効な治療薬であり、美白化粧品の有効成分となりえると結論づけています。

Our data indicate that G. hederacea extract inhibits melanin synthesis in B16 melanoma cells but is not cytotoxic. Hence it might prove a useful therapeutic agent for treating hyperpigmentation and an effective component of whitening cosmetics.

Anti-melanogenesis effect of Glechoma hederacea L. extract on B16 murine melanoma cells.

胆汁うっ滞肝臓障害におけるカキドオシの作用について調べた研究

台湾での研究により、胆汁うっ滞のラットにカキドオシの抽出液を投与したところ、肝保護作用、抗炎症作用、抗繊維作用など様々な要因により、
肝臓障害に有効に作用しました。

The hepatoprotective, anti-oxidative, anti-inflammatory, and anti-fibrotic effects of Glechoma hederacea extracts seem to be multifactorial.

Glechoma hederacea extracts attenuate cholestatic liver injury in a bile duct-ligated rat model.